長春市電54路

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長春市電54路(54系統)は工農大路(ゴンノンダールー)〜西安大路(シーアンダールー) 間16駅7.6kmを結ぶ路線である。全区間複線(右側通行)で、架線集電方式による直流750V電化。軌間は1,435mm(標準軌)。全区間専用軌道で、長春市で唯一残存している路面電車の路線である。長春市電は満州国時代の1941年に開通し、最盛期は6路線があったが、1995年までに54路以外は廃止された。

車両数は29両で、全て単行で運転。2000年5月31日から同12月18日まで同線は全面運休し、施設のリニューアルを行った。また、老朽車置き換えを目的として、2006年6月に大連市電から8000型(中古車)を18両購入し、同年9月12日までに全車改造を終え、営業に就いた。現在54路で営業についているのは2000年に投入された800型とこの大連市電8000型の2形式で、満州国時代に製造された200型や1970年代に製造された300型は大連市電8000型の導入で消滅した。

長春市電54路を行く、元大連市電の8000型。現在は大半がこの形式で運転されている。

寛平大橋〜迎春路にて
元大連市電の8000型。1999年製だが、大連では2002年から全車が休車扱いとなっていた。3年しか使わずに放置されていたことから長春市が18両を130万元(約2100万円)で買い取ったもの。なお、新車を製造する場合、1両の車両価格は約100数万元するという。
元大連市電8000型の台車は旧型車の流用。釣り掛け駆動である。
元大連市電の8000型は2000年に投入された新型車両800型の続番で付番されたため、同じく800型を名乗っている。市電の運営は長春公交集団電車公司で、市の直属。
元大連市電8000型の車内の様子。長春にて車内がリニューアルされた。3扉車で両端の扉は乗車専用、中央扉が降車専用である。全列車に車掌が乗務し、中扉および後ろ扉の開閉操作、車内放送等を行う。中国の都市鉄道で常時肉声放送を行っているのはこの路線だけ。非冷房車だが、長春の気候からすれば冷房は不要。
運賃は1元均一で、運賃箱は両運転席後ろに設置されている。その上にはICカード乗車券読み取り機が設置されている。
運転台の様子。2ハンドル式で、日本と同様に左がマスコンで右がブレーキ。マスコンは自動加速制御となっている。
ちなみに、運転士・車掌共に大半が女性である。
2000年に数両が投入された純新型車両の800型。前照灯などにバス用品を用い、両端の扉はスイング式で中央扉はグライドスライド式。
800型の車内。側窓が大きいため、背もたれの高さが低い。非冷房車。
始発駅の工農大路の様子。
工農大路電停に到着した列車は、一旦奥の引き上げ線に入線し、方向転換する。引き上げ線のポイントはスプリングポイント。
54路の路線図。長春市の西側をL字型に結んでいる。
全面展望。全区間専用軌道で幹線道路が並行している。踏切には遮断機は無い。
54路の軌道。2000年のリニューアル時にすべて線路が敷きなおされ、PC枕木化された。また、あわせて全区間の架線柱がセンターポール式となった。

寛平大橋にて
終点の西安大路電停。構造は工農大路電停と変わらないが、こちらは街外れに位置するため、周辺はあまり活気はない。

元大連市電8000型走行音(湖西路→吉航酒店) 釣り掛け駆動。列車は全て車掌乗務で、車内放送は車掌の肉声放送。
元大連市電8000型走行音(農豊市場→緑園)
800型走行音(省肝病専科医院→西効路) 2000年登場の車両であるが、足回りは流用しているのか釣り掛け駆動のようである。

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