重慶軌道交通QKZ2型 車両紹介

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重慶軌道交通QKZ2型は、2号線用の車両として製造された、中国初の跨座式モノレール車両である。Mc1-M2-M3-Mc2から成る、4M0Tの4両固定編成で、2004年〜2005年に21編成、2009年に6編成が製造され、合計27編成(108両)が在籍する。うち、最初の2編成が日立製作所製、第3編成〜21編成が長春軌道客車製、2009年製造の第22〜27編成が重慶長客城市軌道交通車両製である。

基本設計や外観・内装は大阪高速鉄道(大阪モノレール)2000系をベースにしている。車体はアルミ製で、酸性雨対策で全面塗装されている。また、重慶の猛暑に対応するため、冷房能力19,000kcal/hの大型の冷房装置を各車両2台設置している。車両寸法は長さ14,800mm(中間車は13,900mm)×幅2,980mm×高さ5,300mm(うち桁上面3,840mm、桁下面1,460mm)。加速度は3.0km/h/s(減速度は4.0km/h/s(常用最大)・4.5km/h/s(非常))、最高速度は75km/h(設計最高速度は80km/h)。なお、将来的に6両編成ないし8両編成にすることも可能な設計としている(6両編成の列車(第28編成以降)は、2012年11月19日より営業運転開始)。

なお、QKZ2型は長春軌道客車の呼称型番であり、重慶市軌道交通有限公司は3号線用車両と併せてモノレール車両を「1000形」として扱っている。車両番号はデビュー以降、2度も変更されている。(トップナンバー車:「1001」→「2001」→「020011」)

最初の2編成の量産先行車は完成車として日立製作所笠戸事業所で製造し、量産車は技術供与により長春軌道客車で製作した(主要機器と台車10編成分は日立製作所製)。外観は基本的に全編成同一だが、量産先行車と量産車は一部仕様が異なっている(→詳しくはこちらをご覧ください。)。また、第20編成以降は車体の塗装が異なる。

関連ページ:重慶軌道交通2号線

量産先行車のQKZ2型第1編成。日立製作所製。大阪高速鉄道(大阪モノレール)2000系をベースにした外観が特徴。2004年2月に落成し、同年4月に重慶港から陸揚げされた。

袁家崗にて
QKZ2型第2編成。同じく日立製作所製。2004年3月に落成。

謝家湾にて
QKZ2型第3編成。当編成以降(量産車)は日立製作所の技術供与の上、長春軌道客車で製造された。細部に仕様変更がある。

動物園にて
QKZ2型第18編成。長春軌道客車製。第3編成〜第19編成までは基本的に同一仕様。
なお、各車両の付番法則は千の位が1(形式番号)、百と十の位が編成番号、一の位が号車番号である
(第1編成の場合は、新山村寄り車両から順に
1011(Mc1)-1012(M2)-1013(M3)-1014(Mc2))。

謝家湾にて
第20編成・第21編成は塗装が白ベースのものに変更されている。2005年製。

佛図関にて
第20編成・第21編成の車両の外観。白を基調に、緑と青の帯が大胆に塗装されている。
なお、2009年製の第22編成以降も、前面窓周りの塗り分けがわずかに異なるほかは、基本的に同一仕様。
量産車(左)と、量産先行車(右)の比較。外観では、前面行先表示機(量産先行車:方向幕、量産車:LED)、前面の車両番号の位置(量産先行車:助士席側窓下、量産車:非常扉上)、車側灯の位置(量産先行車:側窓間、量産車:側窓上)等に差異がある。

動物園にて
QKZ2型の先頭車。前面デザイン・窓配置・車両の基本寸法は大阪高速鉄道(大阪モノレール)2000系と同一。
QKZ2型の中間車。貫通幌は幅広のものとなっている。
扉周りの様子。日本の跨座式モノレールの車両と同様に、各客用扉の上にはスローダン(避難器具)を引っ掛ける金具が設置されている。
乗務員室扉の客室寄りには、重慶軌道交通2号線のロゴマーク(「CRT・2」)が描かれている。
妻部の形式・定員・自重表記。表記の仕方が日本式である。
型号(形式)は、重慶市軌道交通有限公司の呼称である「1000」が表記されている。
QKZ2型の屋根上。冷房装置は重慶の猛暑に備えて大型化されており、大阪高速鉄道2000系の冷房装置よりも縦寸法は100mm高い。
乗務員室仕切部。ガラス面積が、他の中国の都市鉄道の車両と比較して非常に大きい。遮光幕は運転台背後以外は原則として終日開放。
乗務員室仕切の窓には、乗務員の名札が掲出される。
量産先行車の窓ガラスには、日本板硝子製のガラスであることを示す「NIPPON SAFETY」のロゴと、JISマークが入っている。
客室からの前面展望。
車両番号が1000番台から2000番台に変更された第13編成(旧車両番号:1133)。
車両番号が重慶軌道交通の新付番方式に則って、再度車両番号が変更された第17編成(車両番号の変遷:1174→2174→020174)。
重慶軌道交通の新付番方式は、十万と一万の位で路線番号、千・百・十の位で編成番号、一の位で号車番号を示す。

なお、第28編成(6両編成の車両)以降は、導入時から新付番方式で付番されている。

牛角沱にて
一駅間の前面展望。案内放送のほか、広告やニュース等のBGMも流れる。
楊家坪駅に到着〜発車するQKZ2型。
楊家坪駅に到着する、較場口行きの列車。

Full HD Video
「九龍塔」を抜けるQKZ2型を横から眺める。

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ライトアップした「九龍塔」を抜けるQKZ2型。

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夜の楊家坪正街を走行するQKZ2型。

QKZ2型量産先行車 走行音(動物園→楊家坪)IGBT-VVVF制御で、制御装置は日立製作所製。
Mc-M-M-Mc(4M0T)の4両編成。
車両は扉開閉時にドアチャイムが鳴る。自動放送は北京語・英語の2ヶ国語。
QKZ2型量産先行車 走行音(大坪→佛図関)
QKZ2型量産車 走行音(馬王場→平安)IGBT-VVVF制御で、制御装置は日立製作所製。
Mc-M-M-Mc(4M0T)の4両編成。
合図ブザーの音が量産先行車から変更されている。
QKZ2型量産車 走行音(大坪→佛図関)
QKZ2型量産車 走行音(臨江門→較場口)
QKZ2型量産先行車 合図ブザー音日本の森尾電機製で、同社の日本向けのものと同じブザーの音がする。通常時はドア開操作前とドア閉操作後(側灯消灯確認後)に使用する。
QKZ2型量産車 合図ブザー音中国製と思われ、森尾電機製のものよりも甲高い音がする。

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