香港鐵路
軽鐵
車両紹介

軽鐵は総計119両の車両で運転されている。車両は3期にわたり増備された。いずれの車両も車両長は19.4m、最高速度は80km/h、加速度4.7km/h/s、非常制動時減速度9.3km/h/sとLRTに適した高性能車両で運転される。路線の終端は必ずループ線になっているため、車両は片側にしか運転台はなく、扉も進行方向左側にのみ設置されている。
以下、形式別に紹介する。
1次車 2次車 3次車

1次車
1次車は1988年の開業に伴い導入された車両で、オーストラリアのComeng製である。車両番号1001〜1070の計70両が製造されたが、1両(1013号)は事故廃車となり現在は69両。セミステンレス車両で、前頭部等はFRP製である。行先表示機は落成時は幕式であったが、2002〜03年にLED式に変更された。車内は車椅子スペースが2箇所設置され、1車両あたりの定員は205名(うち着席定員44名)。GTO電機子チョッパ制御である。2次車との連結が可能。
1次車の1エンド側(進行方向先頭側)の外観。1〜3次車ともに基本デザインは同一だが、前頭部のデザインや冷房装置の形状が見分けるポイントとなっている。

新圍〜石排にて
2エンド側(背面側)の外観。1次車のみ非常扉は未設置。

天栄にて
車両番号1004は軽鐵で最初に導入された車両で、前頭部には「軽鐵先鋒-LRT PIONEER」と記されている。

頌富〜翠湖にて
車内の様子。2+1人掛けのクロスシートで、車椅子スペースは進行方向右側の前後2箇所に設置されている。
乗務員室仕切り窓。その上には案内表示装置と製造メーカーの銘板が設置されている。
1次車の運転台。無段階の左手操作式ワンハンドルマスコンで、日本とは逆に奥に倒すと力行、手前に倒すと制動である。
2エンド側車端部の車内の様子。非常時は窓から脱出する構造となっている。

2次車
2次車は1992〜93年に導入された車両で、川崎重工製である。車両番号1071〜1090の20両と、運転台が省略された増結用車両の10両(車両番号1201〜1210)の計30両が製造された。セミステンレス車両で、前頭部等はFRP製である。行先表示機は落成時は幕式であったが、2002〜03年にLED式に変更された。車内は車椅子スペースが3箇所設置され、1車両あたりの定員は223名(うち着席定員38名)。GTO電機子チョッパ制御である。1次車との連結が可能。
2次車の1エンド側の外観。前照灯ユニットは角が丸いものとなり、前面窓の下は傾斜がかかっている(1次車・3次車は直角)。屋根上の冷房装置は集約分散式で、2台搭載している。

屏山〜水邊圍にて
2エンド側の外観。中央に非常扉が設置されている。なお、2両編成で運転する際は、最後尾に「C」と書かれた黄色い札を掲示する。

天栄にて
車内の様子。2+1人掛けのクロスシートで、車椅子スペースは進行方向右側の3箇所(各側扉の反対側)に設置されている。また、1次車と比較して通路の中央につり革と手すりが追加されている。
川崎重工の銘板。
運転台が省略された増結用車両(車両番号1200代)の1エンド側外観。営業運転時は先頭に出ることはないが、車両基地内での入替時を考慮して前照灯ユニットが設置されている。
増結用車両の1エンド側車端部の車内の様子。

3次車
3次車は1997〜98年に導入された車両で、オーストラリアのGoninan製である。車両番号1091〜1110の計20両が製造された。セミステンレス車両で、前頭部等はFRP製である。行先表示機は落成時から現在に至るまでドットマトリクス式である。車内は車椅子スペースが3箇所設置され、1車両あたりの定員は248名(うち着席定員36名)。IGBT-VVVF制御である。1次車・2次車との連結は不可能。
3次車の1エンド側の外観。前照灯ユニットは1次車と同様の角型で、行先表示機と前面窓の段差がなくなった。また、前面窓の下の黄色は他次車より薄い。側窓の窓枠は角型で、冷房装置は集中式。

天恆〜天逸にて
2両編成の連結部。3次車は制御方式が異なる1次車・2次車との連結は不可能。連結器は電気連結器で、1両で運転する際には連結器は収納されている。
車内の様子。3次車では寒色系の配色となった。座席配置は2次車をベースとしているが、立席スペース確保のため、座席は1次車より8席、2次車より2席少ない36席となっている。乗務員室仕切り窓は2枚となり、窓の大きさも1次車・2次車より縮小された。

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