3大革命展示館

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「3大革命展示館」(サムデヒョンミョンジョンシグァン)は1970年代から金正日書記(当時)の主導で推進された3大革命(思想革命・技術革命・文化革命)の成果を分野別に展示する施設である。 住所は平壌直轄市西城区域池東。

「工業農業展覧館」を1983年9月に「3大革命展示館」と改編して開館した。1989年からは拡張工事を行い1993年4月9日に完成。総敷地面積197町歩(約1,950,000u)、延べ建築面積は80,000u規模。展示館の中央を貫く幅約100mのメインストリートの両側に「主体思想労作展示館」・「電子工業館」・「重工業館」・「軽工業館」・「農業館」・「新技術革新館」の6つの建物があり、突き当たりに「3大革命記念塔」が聳える。

この中の「重工業館」の屋外展示施設には、実物の鉄道車両8両と無軌道電車(トロリーバス)の「千里馬-091型」、トラック、重機などが展示されている。また、「重工業館」本館の2階にも鉄道に関する展示がある。

3大革命展示館の正門。
入口に掲げられた「3大革命展示館案内図」。鳥瞰図で各展示館の配置が記されている。
「重工業館」の屋外展示施設。多数の車両が屋根の下に収められている。
左から「赤旗4054」電気機関車、「金星8002」内燃機関車、「千里馬-091型」無軌道電車。
(2014年5月撮影)
2018年8月時点。車両の前に解説板が設置された。また、再塗装の際に「千里馬-091型」の色が変更された。車両も数台追加されている。
「金星8002」内燃機関車。ソ連のM62型ディーゼル機関車を基に1970年代初期に北朝鮮で製造した車両である。2両が製造された。
金星8002の前面。中央には星のマークとともに「金星」(クムソン)の文字が入る。
製造銘板。一番下に「金鐘泰(キムジョンテ)電気機関車工場 製作」の文字が入るが、一番上の車両番号(「金星□□□□」)や中央の製造年月日部分(「製作 19□□年□月□日)は空欄になっている。
金星8002の解説板。

内燃機動車

出力 2,500hp  運営速度 100km/h
牽引力 200kN  牽引重量 150t
質量 123t  長さ 17,925mm

金鐘泰電気機関車連合企業所

と書かれている。
3等寝台車の「タチム28 5087」(両側より撮影)。タチム28は本線上でも活躍している。
(2014年5月撮影)
2018年8月時点では、朝鮮鉄道省の新塗装と同一の塗装に改められていた。
連結部。中央の自動連結器の両側に緩衝器が設置されている。
側面の表記。上は「一般寝台」、下は「タチム28 5087」の文字。
タチムの「タ」は等級記号で、日本の鉄道車両の等級記号(イロハ)と同様に朝鮮語の「カナダラマバサ…」を等級記号として使用している。「カ」が1等車(現在存在せず)、「ナ」が2等車(上級寝台)、「タ」が3等車(一般寝台)。
タチムの「チム」は寝台(チムデ)の「寝」。寝台車に使用される記号である。
その次の「28」は車両形式番号。「5087」は製造番号。
「タチム28 5087」は片側が廊下で、寝台は個室になっている。
写真は廊下側で、各個室のドアには寝台の番号が記されているのが窓越しに確認できる。車内を見学することは出来ない。
上写真と反対側の側窓。2段式ベッドが確認できる。
妻面の朝鮮鉄道省のマークと諸元表記。
諸元表記は、上から車長、諸質量、荷重。
台車。車軸発電機付き(車軸発電機部のベルトは撤去されている)。
タチム28 5087の解説板。

寝台車

許容速度 120km/h  席数 36
積載重量 7t  車両長さ 24,600mm
諸質量 56t  幅 3,106mm
換算長 1.1  高さ 4,220mm

金鐘泰電気機関車連合企業所

と書かれている。
無蓋車の「ム12 15-48507」。「ム」は無蓋車の無(ム)である。
「ム12 15-48507」はボギー台車が1両あたり4つ設置されており、重量物を輸送することができる。台車の上の諸元表記によると積載可能重量は100t。
「ム12 15-48507」の製造銘板。6月4日車両連合企業所製(1982年製)。
「赤旗4054」電気機関車。フランスのGIE FRANCORAIL-MTE製の内燃機関車「CSE 26-21」(1981年に7両、1985年に5両を新車で導入)の車体デザインをベースに北朝鮮で製造された。
「赤旗(プルグンギ)4054」の車両番号銘板。
製造銘板。製造番号、製造年月は空欄になっている。銘板の内容は以下の通り。

プルグンギ(赤旗)
車番号 □□□
金鐘泰電気機関車総合工場
製作 19□□年□□月
「赤旗4054」の台車。
赤旗4054の解説板。

4軸電気機動車

電車線電圧 3,000V  定格速度 49km/h
牽引電動数(=動軸数) 4  定格牽引力 150t
最大速度 100km/h  質量 88t
車両長さ 17.284m  幅 3.1m
高さ 4.7m

金鐘泰電気機関車連合企業所

と書かれている。
有蓋車の「ユ7 69-16333」。「ユ」は有蓋車の有(ユ)である。
「ユ7 69-16333」の製造銘板。6月4日車両連合企業所製(1992年製)。
「ユ7 69-16333」の諸元表記。
積載質量:61.5t
諸質量:22.5t
容積:15.5m×2.8m×2.6m
換算長さ:1.4m
無蓋車の「ム11 69-39251」。
ホッパ車の「セ3 69-18081」。
「セ3 69-18081」の製造銘板。6月4日車両連合企業所製(1991年製)。
タンク車の「69-00006」。タンク側面には「湿ガス」と書かれている。
「69-00006」の製造銘板。6月4日車両連合企業所製(1982年製)。
千里馬-091型無軌道電車(トロリーバス)。平壌市無軌道電車で多数運行されている。
(「千里馬-091型」の車両紹介はこちら
「チプサム-3」型バス。
「重工業館」の屋外展示施設には、この他に油圧ショベル「楽園」、ブルドーザー「万景号」、ダンプカー「錦繍山号」やトラックなども展示されている。
「重工業館」本館外観(屋外展示は写真左側にある)。
「重工業館」本館の内部。朝鮮の重工業に関する展示品が数多く並ぶ。
炭鉱の模型。上には「石炭は工業の食料だ」の文字。
露天掘り(朝鮮語:露天採掘)の大型模型。
平和自動車の製品展示。
左から小型貨物車「ポクギ(=カッコウ)V」、小型バス「三千里」、荷物運搬乗用車「ポクギ」4WD。
朝鮮製CNC工作機械の展示。後ろには「機械工業は工業の心臓」の文字。
2階には鉄道関連の展示がある。写真右端は平壌地下鉄新型車両「地下電動車1号」の展示。
朝鮮鉄道省の機関車・客車・貨車の模型。
鉄道のジオラマ。上の文字は「鉄道は国の動脈・人民経済の先行管」。
ジオラマの様子。線路が一周敷かれており、駅の模型もある。
駅に止まっている車両。貨車・客車に加え、左奥には流線型の高速列車(イメージ)が見える。
「先軍赤旗1号」の模型もある。
「先軍赤旗1号」の展示。朝鮮初の非同期牽引電動機・VVVFインバータ制御を採用した電気機関車である。
朝鮮の鉄道路線図。上の題名は「鉄道電気化の実現」で、電化区間が色分けされている。なお、南(韓国)の路線図も書かれている(路線図は古い)。
また、左側には金正恩朝鮮労働党委員長が地下電動車1号を金鐘泰電気機関車連合企業所で現地指導した際の写真も展示されている。
その他の展示館も見学可能である。写真は「軽工業館」。
「軽工業館」の内部。衣服・飲食料加工・自転車等、軽工業に関する展示がある。
「電子工業館」。土星を模した部分は「人口地球衛星館」である。
「電子工業館」内部。テレビやコンピューター等が展示されている。
「人口地球衛星館」(「電子工業館」の3階にある)。2016年2月7日に発射した「光明星」(人工衛星「光明星4号」運搬ロケット)の大型模型をはじめ、これまでの歴代の人工衛星及び衛星運搬ロケットの写真・模型の展示、発射の際の映像(日本語解説版あり)の放映等がある。

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