元 東京メトロ7000系 ジャカルタデビュー

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KRL Commuter JABODETABEKでは、2010年4月から同年7月にかけて、元 東京メトロ有楽町線7000系4編成(7117F、7121F、7122F、7123F)を順次導入した。現地で塗装変更やスカートの設置、投石避けの金網や反射板の設置、8両編成化(7700形(M1)、7800形(M2)を編成から外し、保留車化)等の改造が行われたうえ、2010年8月19日から営業運転を開始した。
KRL Commuter JABODETABEK初のAVF式チョッパ制御方式、アルミ合金製車両、左右非対称な前面デザインの車両である。なお、今後も東京メトロ東西線05系等の車両が引き続き導入される予定である(05系02F・07Fは2010年8月中旬にジャカルタ到着済み)。

※すべて許可を得た上で撮影

Depo Depok(Depok(デポック)車両基地)にて、営業運転開始に備えて待機する3本の元 東京メトロ7000系(左から7122F、7121F、7117F)。元のラインカラーを活かしつつ、前面は赤をベースとしたものに変更され、大幅なイメージチェンジとなった。また、先頭部の右側側面には反射板が取り付けられている。
7122Fには東京メトロ副都心線入線不可を示す「Y」マークが残存していた。
Depo Depokの検査用ピットに入場した7117F。検査を受けてラインカラーが変更された元 東急8500系8607Fと並ぶ。
7000系の前面。元々のゴールドのラインカラーの上下に細い白帯が追加され、その他は尾灯付近を除いて赤いステッカーが貼られた。なお、スカート付近の塗装の赤とは、微妙に色合いが異なる。
一部の車両の側面に残存していた、東京メトロのロゴマークのプレート。
KRL Commuter JABODETABEKのロゴマークへの貼り替え(上貼り)が完了した編成。順次更新されると思われる。
戸袋部に貼られた号車番号表示と、乗車マナーを示すステッカー(後者のステッカー貼付は7000系が初の例)。7117の号車番号は、当初は日本と同じく「10」のステッカーが貼られていたが、後述のとおり営業運転開始前に7700形と7800形が欠車となったため、「8」のステッカーに貼り直された跡が残る。
7117Fの車内の様子(1次車)。基本的に東京メトロで活躍していた頃のままだが、広告等が撤去され、代わりにKRL Commuter JABODETABEK仕様の路線図や各種ステッカーが貼られた。
なお、7117Fの7117、7717〜7017の5両(うち7717・7718は保留車)は1次車で、幅広の貫通路が残存している(7117と隣接する7217も片側のみ幅広の貫通路)。現在、東京メトロに残る7000系の1次車はすべて貫通路の狭幅化改造が施工されたため、現在幅広貫通路が残存している東京メトロ7000系は、この7117Fのみである。
両端の先頭車は女性専用車となっている。元 東急8500系の一部の先頭車も女性専用車となっているが、ステッカーのデザインは一新された。時間帯制限は設けられていない。
また、ドアコックや非常通報装置の蓋には、乗車マナーに関するステッカーが貼られ、本来の役割を示す表記は消されている。
戸袋部には新デザインの車内マナーに関するステッカーが貼付されている。
各扉上の広告の枠に掲示された、KRL JABODETABEKの路線図。従来の一部の車両にも2009年から掲示されているが、7000系に設置されたものは新たにデザインされたものとなっている。
3次車の車内。路線図の大きさや掲示場所が異なる。
7000系の運転台。ほとんど未改造である。
運転台の各種スイッチ等のプレートには、インドネシア語表記のものが新たに設置された。「ホームドア非対応車」「4パンタ試験車」等、KRL JABODETABEKで運行する上で必要のない表記も、すべて律儀にインドネシア語訳されていた。
Depo Depokに留置されている、編成から外された7700形(M1)+ 7800形(M2)の2両ユニット。訪問時は7117F、7121F、7122Fの3編成分の2両ユニット(計6両)が留置されていたが、後に7123Fの2両も追加されると思われる。これらは試運転時は10両で運転した後、Depo Depokで2両を抜いている。車両の帯は保留車であるにも関わらず貼り替えられ、屋根や床下も再塗装されている。
なお、8両に減車しているのは、中央線区間を除く各ホームの有効長や、Jakarta Kota駅の終端部からポイントまでの線路の長さが10両に対応していないため。
保留車となっている7717は幅広貫通路車であるが、貫通路は吹きさらしとならないよう、アクリル板で塞がれていた。
扉の帯が一部剥がれた、保留車の7717。元々の有楽町線のラインカラーの上に、赤帯と白帯を重ね貼りしているのが分かる。
Depo Bukit Duri(ブキッドゥリ車両基地)に留置されている、7123F。隣のKRL-I形の第1編成は、従来の緑色+紫色の塗装から第2編成と同一の青色+水色の塗装への塗装変更の最中であった。
検査ピット線内に留置されている7123F。訪問時は本線試運転の前で、10両編成のままであった。Depo Bukit Duriの屋根は4両分しかなく、6両は屋外にはみ出していた。
7123Fの車内の様子。まだ路線図等の一部の準備が完了していない状態であった。7123Fはすべて3次車で構成されている。
7123の女性専用車のステッカーと、東京メトロの頃の表記が残っていた、非常用ドアコックの蓋。
Depo Depokの検査用ピットに入線する7117F。警笛や、独特のAVF式チョッパ制御の音もそのままである。なお、東京メトロに残存している編成は、すべてVVVF化改造が完了している。

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