空港鉄道2000系甲種輸送

2006年8月10日、ROTEM昌原工場から偶然甲種輸送列車が発車していくのを目撃した。ディーゼル機関車に牽引されていた車両は2007年3月開業予定の空港鉄道(旧:仁川国際空港鉄道)2000系(一般列車仕様)車両。韓国初の民間鉄道(私鉄)として注目されている空港鉄道は、開業に向けて車両が続々と納入されているようだ。昌原工場から仁川港まで、その甲種輸送列車の行方を追った。
(甲種輸送ルートは、ROTEM昌原工場→新昌原→(鎮海線)→昌原→(慶全線)→美田→(京釜線)→加山デジタル団地→(九老短絡線)→九一→(京仁線)→仁川→(朱仁線(貨物線))→仁川港である。仁川港から先は海上輸送及び陸送。)

ROTEM昌原工場を今まさに出発した空港鉄道2000系甲種輸送列車。今回輸送された車両は2x09編成で、2000系の最終製造編成である。背景に見える工場は、ROTEM昌原工場(ROTEMのロゴマークが入っているのが見える)。
発車時刻は15:57頃。
新昌原駅を発車する甲種輸送列車。手前のホームが新昌原駅。
発車時刻は16:02頃。

なお、鎮海線は非電化だが、昌原〜新昌原 間のみ電化されている(昌原工場で製造した車両の本線試運転を行うためであろうか)。
夜の大田駅に停車中の甲種輸送列車。大田駅でしばし停車する。牽引は7400形7438号。
機関車と電車との連結部。日本と同様、機関車は自動連結器、電車は密着連結器なので専用アダプターを使用して連結している。
空港鉄道2000系先頭車外観。車体はアルミニウム製。先頭車のみ側扉が数箇所開かれており、中には関係者が乗務していた。
中間電動車の様子。パンタグラフは2基搭載している。
編成の最後尾、2809号車。
甲種輸送列車の最後尾の車両は日本ならば一般的に反射板を設置するが、韓国では乗務員室の窓に仮設の点滅する標識灯(尾灯)を設置するようだ。
最後尾車両側面。なお、2006年6月29日に社名を「仁川国際空港鉄道」(略称:「I'REX」)から「空港鉄道」(略称:「A'REX」)に変更したが、車体の表記は旧社名(I'REX)のままである。
この後、列車は21:20頃に発車して、水原を23:31頃に高速で通過したのを確認した(時速100km近くは出ていたように見えた)。
深夜に仁川港に到着した2000系。翌日昼に確認してみると、機関車は切り離され、仁川港の留置線に停車していた。なお、仁川港に到着した日には船積みされなかった。
2000系の前面。韓国鉄道公社向け5000系新トングリに似たデザインだ。
車内の様子。ロングシートで、座席の仕切り板にもI'REXのロゴマークが入っている。車内では関係者がくつろいでいた。車体の灰色部分も塗装である。
側扉は外吊り式である。
側面は行先表示機がすべて省略されているようだ。本来あるべき場所には蓋がされている。
車端部の座席は優先席および車椅子スペースが設けられているようだ。
中間電動車のパンタグラフ周り。2000系を含め空港鉄道の車両は交流専用車で、その証として交直流車に設置されている交直切替機が設置されていない。パンタグラフは下枠交差型。

関連ページ:ROTEM昌原工場空港鉄道開業前レポート空港鉄道2000系(車両紹介)

韓国の鉄道トピックスへ戻る