TTX(韓国型振り子電車)

TTX(Tilting Train eXpress)は在来線の高速化を目的とした韓国初の振り子電車ある。2007年にTTXの試作車として、「Hanvit 200(ハンビッ200)」(Hanvitは韓国語で大いなる光の意味)という愛称を持つ4M2T(Mc-M2-T-T-M2-Mc)の6両編成1本がロテムで製造された。車両の開発費は480億ウォン。
同車は最大8度の車体傾斜に対応しており、設計最高速度は200km/h(営業最高速度は180km/h)。振り子は強制車体傾斜方式で、ダンパレス式ステアリング台車を採用している。車体長23,500mm(先頭車24,500mm)、車幅2,950mm。IGBT-VVVF制御で、制御装置はロテム製である。
車体は炭素繊維複合材+ステンレスの一体成型で、従来車両より約40%の軽量化に成功している。
車両の保有は韓国鉄道技術研究院(KRRI)で、所属は五松事務所(五松基地)。主に忠北線や湖南線方面での走行試験が行われており、2010年頃に走行試験の成果を反映した営業用車両が登場する予定となっている。

韓国初の振り子電車「TTX」の試作車である「Hanvit200」。4M2Tの6両固定編成である。写真は連結器カバーをはずした状態。

義王にて
五松駅構内に留置されているTTX(Hanvit 200)。
先頭車前面部外観。流線型で、側面に乗務員用扉は設置されていない。
電動台車。ダンパレス式ステアリング台車を採用している。TTX(Hanvit 200)は欧州で主流の強制車体傾斜方式である。
Hanvit 200の屋根上機器。
パンタグラフは離線防止のために、台車の動きと連動して台座がモーターとベルトで可動するようになっている。
パンタグラフの付近には、動作をチェックする監視カメラと照明が設置されている。
炭素繊維複合材+ステンレスの一体成型で製造された車体は、科学技術部のNET認証(New Excellent Technology;新技術認証)を獲得し、各車両の側面にはそれを示すステッカーが貼られている。
Mc車(制御電動車)外観。パンタグラフを1機搭載する。特室車両である。なお、各車両ともに車両番号はない。
M2車(中間電動車)外観。一般車両である。
T車(付随車)外観。一般車両である。
Mc車(制御電動車)側面。床下にVVVF制御装置が確認できる。パンタグラフの直下に側窓はない。
M2車(中間電動車)側面。Mc車同様、床下にVVVF制御装置が確認できる。

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