KTX(韓国高速鉄道)

KTX(韓国高速鉄道)は2004/04/01に開業した、世界で11番目の高速鉄道である。ソウル〜釜山(プサン) 間408.5kmを結ぶ京釜(キョンブ)高速線運用と龍山(ヨンサン)〜光州(クワンジュ) 間352.8km及び龍山〜木浦(モッポ)間407.6kmを結ぶ湖南(ホナム)高速線運用の計3系統がある(区間運転の列車も存在する)。このうち高速鉄道専用の新線区間は始興(シフン)〜大田操車場(テジョンチョチャジャン) 間の132.7kmと沃川(オッチョン)〜枝川(チチョン) 間の90.9kmで、それ以外の区間は在来線を走行する。ソウル〜釜山間の最速所要時間は2時間37分で、従来のセマウル号よりも大幅に短縮された。車両はフランスのTGV方式を採用しており、編成の両端に機関車を配置した動力集中式である。前後の機関車含めて20両固定編成。営業最高速度は300km/h。2010年に東大邱〜釜山間に高速新線区間が延伸予定で、さらなる所用時間短縮が見込まれる。

ソウル近郊の京釜線在来線区間を行くKTX。右側を併走する電車は京釜電鉄線5000系トングリ。運転士の視認性向上のために2005年末より前照灯をHIDに変更した。

加山デジタル団地にて
漢江鉄橋を渡るKTX。

鷺梁津〜龍山にて
大田(テジョン)付近の在来線区間を行く。パンタグラフは通常最後尾の機関車のみ上昇させ、先頭車の機関車のパンタグラフは下ろす。

細川〜大田にて
大半の京釜高速線列車の始発駅、ソウル駅に停車中のKTX。ソウル駅は数年前に新駅舎に建て替えられたばかり。
ソウル駅に並ぶKTX車両群。外観はフランスのTGVとほぼおなじである。01F〜12Fまでがフランスのアルストム社製で、13F以降は韓国のロテム製である。
KTX車両先頭部。KTXのロゴの下のハングルは「ハングッコソッチョルド(=韓国高速鉄道)」と書かれている。
車両の銘板。
ドアの下には可動式ステップが設置されており、ドアの開閉と連動してステップが展開・収納される。ドア周りの塗装は車両の等級を示しており、赤が特室(トゥクシル)、緑が一般室(イルバンシル)である。
ドア横に設置されているLED式行先表示機。ハングル・ローマ字での行先表示と列車番号が交互に表示される。(写真は「釜山」行表示)
デッキには跳上式の補助席が設置されている。
特室の車内。座席は2+1で展開しており、回転式リクライニングシートである。シートピッチは1120mm。1編成中4両が特室である。天井には液晶テレビが1両あたり6台設置されている。
特室の車両には特室客用の水の自動販売機が設置されている。無料サービスで、ボタンを押せば水のペットボトルが出てくる。以前はソフトドリンクが乗務員により席まで配られたが、そのサービスの廃止に伴いこの販売機が設置された。
一般室(イルバンシル)車内。2+2の固定座席で、集合見合式である。シートピッチは930mm。天井には液晶テレビが1両あたり4台設置されている。
車内に2基設置されているモニター。映画(無音)や次駅名などを表示するほか、現在の速度も表示。写真では301km/hの表示。
以前はモニターはブラウン管式のものであったが、2006年までに液晶テレビにすべて交換された。
液晶テレビでの駅到着案内では韓国語、英語、中国語に加えて日本語の表示も。
空調の噴出口は窓枠にある。ムグンファ号のデザインリミット製客車も同じ位置にある。

KTX始発駅発車後自動放送(釜山発ソウル行)旧放送 開業時から2005年11月頃までは始発・終着駅に関わらず、すべての駅で韓国語・英語・日本語・中国語による4ヶ国語放送が流れていた。途中停車駅によっては到着放送の日本語と中国語の放送順序が入れ替わることもあった。
KTX始発駅発車後自動放送(ソウル発釜山行)旧放送
KTX終着駅到着前自動放送(光州駅到着前)旧放送
KTX終着駅到着前自動放送(ソウル駅到着前)旧放送
KTX終着駅到着前自動放送(釜山駅到着前)旧放送22005年12月頃からは全言語の放送に「KTX」という言葉が追加されるなど、言い回しが変更された。日本語放送も文章を変更。放送は韓国語・英語・中国語・日本語の順に(途中駅も統一)。この放送は2006年3月まで行われた。BGMは韓国の伝統楽器の伽耶琴(カヤグム)であると思われる。
KTX始発駅発車後自動放送(釜山発ソウル行)現放送2006年4月より、全駅での自動放送が韓国語と英語の2ヶ国語放送に変更され、日本語と中国語は省略された。それに伴い、車内のテレビで日本語と中国語の表示を開始した。

関連ページ:セマウル号ムグンファ号

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