国立中央科学館(大田)リニアモーターカー

大田(テジョン)にある国立中央科学館(クンニッチュンアンクァハッカン)では、2008年4月21日より韓国初の常設リニアモーターカー(磁気浮上列車)が営業を開始した。このリニアモーターカーは科学館(クァハッカン)〜エキスポ(エクスポ)間2駅995mを結ぶ路線である。全区間単線で、直流1500V電化。両駅間を2分で結ぶ。
リニアモーターカーは1993年の大田国際博覧会(大田エキスポ)にて一般向け運転を行った後15年間営業を中断していたが、従来の路線を一部ルート変更・延伸工事を行ったうえで再開業したものである。開業日から2008年9月31日までは運賃無料で運行され、翌10月1日からは大人1000ウォン、子供500ウォンの運賃を徴収する。一日16回(8往復)運転され、1回の運転での乗車定員は44人。
車両はUTM-02型と呼ばれる車両で、2005年にロテムで製造された。2両固定編成で、1両あたりの車両長は13,500mm、車幅は2,900mmである。重量は26t。また、設計最高速度は110km/h、営業最高速度は80km/h、加速度は3.6km/h/sとなっているが、現在は路線長の関係から、最高速度は30km/h/sに抑えられている。落成当初は赤をベースにした塗装であったが、営業開始にあわせて塗装変更された。なお、形式の「UTM」とは「Urban Transit Maglev」の略である。
2012年に仁川国際空港と周辺地域を結ぶ路線として、本格的な実用常設路線の都市型リニアモーターカーが開業する予定となっている。

科学館駅発車時刻:10:30、11:00、11:30、13:30、14:00、14:30、15:00、15:30
エキスポ駅発車時刻:10:45、11:15、11:45、13:45、14:15、14:45、15:15、15:45
運休日:毎週月曜日・毎月最後の週の火曜日


国立中央科学館公式サイト:http://www.science.go.kr/
エキスポ科学公園公式サイト:http://www.expopark.co.kr/


(配線図:管理人制作)

大徳大路をオーバークロスする、国立中央科学館のリニアモーターカー。韓国語では磁気浮上列車(チャギブサンヨルチャ)と呼ばれる。

エキスポ〜科学館にて
エキスポ科学公園に隣接した遊園地「クムドリランド」の気球をバックに走行する、科学館行きの列車。

エキスポ〜科学館にて
科学館駅を発車してエキスポ駅へ向かう列車。車両はUTM-02型で、2両固定編成が1本製造された。軌道から10mm浮上して走行する。
炭洞川を渡る列車。

科学館〜エキスポにて
UTM-02型の車内の様子。クロスシートをベースに、車端部にロングシートと車椅子スペースがある。座席はFRP製で、座面にクッション材が敷かれている。着席定員は44名。貫通路上および最前部の非常扉上には液晶ディスプレイが設置されている。
車両先頭部の様子。運転台部に仕切りはない。
運転台の様子。マスコンはワンハンドル式で力行4段(P1〜P4)、常用制動7段(E1〜E7)と非常制動1段。手前に引くと力行、奥に押すと制動(日本式)である。ATO運転・無人運転に対応している。運転台カバーには現代ロテムのロゴマークが入っている。
側扉。プラグドアである。
科学館駅の外観。上には開通式の際の横断幕が残っており、横断幕には「慶祝 磁気浮上列車開通式」「科学技術の力!大韓民国の力!」と書かれている。乗車券は入口の横の窓口で購入し、先着順に乗車列車が割り振られる。
科学館駅のホームの屋根はアーチ型となっている。現状は1面1線の構造だが、反対側にもう1線追加して1面2線化できるよう準備工事がなされている(既に軌道の台座が設置されている)。
科学館駅の内部の様子。1階にはリニアモーターカーの仕組みや開発の歴史等が紹介されている。列車が到着するまではここで待機する。
科学館駅のホーム。可動式ホーム柵(APG)が設置されている。
エキスポ駅の駅舎外観。前面ガラス張りの正四角錐の建物となっている。ホームは2階にある。
エキスポ駅ホーム。頭端式ホームとなっており、2面1線。乗車ホームと降車ホームは分離されている。乗車ホーム側のみ可動式ホーム柵を設置。
国立中央科学館内に展示されているHML-03型。大田国際博覧会(大田エキスポ)で一般客を乗せて運行されていたもので、1993年現代精工製。
同じく国立中央科学館で展示されているHML-02型。1991年現代精工製で、乗車定員は8名。
乗車した際には手動運転を行っていたが、自動運転にも対応している。車両はIGBT-VVVF制御。

UTM-02型電子警笛駅発車時や入線時に鳴らす。また、この他にミュージックホーンも装備しており、大徳大路に架かる橋梁を走行する際に鳴らす(未収録)。

無料乗車券(表/裏)
2008年4月21日から同年9月30日までは運賃無料となっていた。乗車券に指定されている列車に乗らなければならない。一列車あたり44人まで乗車できる。
2008年10月1日以降の運賃は大人1000ウォン、子供500ウォン。
リニアモーターカーパンフレット
科学館駅・エキスポ駅の両駅にて配布されている。

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