ミャンマー国鉄ヤンゴン-ピィ線・コンピューター大学支線

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ヤンゴン-ピィ線はYangon(ヤンゴン)〜Danyingon(ダニンゴン)〜Hlawga(ローガ)〜Pyay(ピィ)間259.0kmを結ぶ路線である。このうち、Yangon〜Danyingon〜Hlawga間28.2kmでヤンゴン地区の通勤列車が運行されている。Yangon〜Danyingon〜Hlawga間は複線(左側通行)。ミャンマー初の鉄道路線として1877年に全区間が開通した。Yangon〜Danyingon間20.5kmは、ヤンゴン環状線との重複区間である。

コンピューター大学支線は、Hlawga〜Computer University(クンピューター テッカソー(和訳:コンピューター 大学))間3.0kmを結ぶ、ヤンゴン-ピィ線の支線である。全区間が単線であるが、敷地と橋梁は複線分既に確保されている。2007年に開通した。

列車は、Yangon〜Hlawga〜Computer University間を運行するものと、ヤンゴン環状線〜Yangon〜Hlawga間を運行するものに分かれる。前者はRBE(気動車)、後者はRBEまたは客車列車で運行される。
前者はコンピューター大学への学生・教職員の輸送を主目的としており、1日2往復のみの運転である(朝夕に2本続行運転で、日中はComputer University駅に2本が留置されているため、実質1往復)。Yangon駅発車時刻は朝の5:15と5:50、Computer University駅発車時刻は15:30と15:50である(2015年8月現在)。その運用の前後に、Insein(インセイン)〜Yangon間の出入庫運用がある(1日の列車の動きはInsein→Yangon→Computer University(長時間留置)→Yangon→Insein)。
Yangon〜Computer University間31.2kmの所要時間は約2時間。

(路線図:管理人制作)

Computer University(コンピューター大学)駅の駅名標と、停車中のYangon(ヤンゴン中央)行き列車。
コンピューター大学の校舎と、元JR北海道のキハ48。
Computer University駅は、朝8時頃から15:30まで2列車が昼寝(長時間留置)される。写真は、15:30発の1本目の列車が発車した直後(写真奥に小さく松浦鉄道MR-100形+JR東日本キハ58の編成が見える)
Computer Universityの駅舎。駅はコンピューター大学の敷地内にあり、大学以外は周辺に何もない。
JR北海道キハ48との姿は、まるでJR北海道札沼線(学園都市線)の新十津川駅のようである。
Computer University駅舎内部。有人駅で窓口が設置されているが、乗車券を購入する場合はホーム側に面した駅長室で買う必要がある。
Computer University駅の犬と、コンピューター大学支線のキハ48 302(現RBE2589)。キハ48はJR北海道時代の「学園都市線・COLLEGE TOWN」のステッカーも残っている。海を渡った後も、大学を結ぶミャンマー版「学園都市線」の列車として運転されているのは、運命のいたずらか。
Computer University駅にて並ぶ、RBE2573(JR四国キハ47 503)とRBE2589(JR北海道キハ48 302)。日本ではあり得なかったJR四国とJR北海道のキハ40系列同士の並びが実現。
RBE2588(JR北海道キハ48 301)とRBE2513(のと鉄道NT103)の並び。

Computer Universityにて
Computer University駅の駅舎から見たRBE2573(JR四国キハ47 503)。
コンピューター大学の正門。Computer University駅から100m程の場所にある。
Computer University駅の先の線路終端部。雨季は緑に覆われて線路が見えない。
Computer University駅に停車中の列車の運転席からHlawga方面を眺める。
コンピューター大学支線の前面展望。全区間単線だが、写真のように橋梁は既に複線分架設され、敷地も複線分確保されていて、将来の複線化に対応している。写真奥で、ヤンゴン-ピィ線と合流する。

Computer University〜Hlawgaにて
Hlawga(ローガ)に入線するRBE2588(キハ48 301)+RBE2589(キハ48 302)。
Hlawga駅に到着。
Hlawga駅で並ぶ、JR東海とJR北海道のキハ48形。ヤンゴン環状線の列車も、一部が当駅まで直通運転する。
Hlawga駅を発車し、ヤンゴン-ピィ線を南下する。
ヤンゴン-ピィ線はHlawga以南が複線である。

Hlawga〜Tha Du Kanにて
ヤンゴン-ピィ線のYangon方面〜Hlawga間を運行する客車列車。ヤンゴン環状線と共通の車両が使用される。

Hlawga〜Tha Du Kanにて
すべての踏切には、踏切警手が配置されている。

Tha Du Kan〜Shwepyithaにて
ヤンゴン環状線との合流・分岐点であるDanyingon(ダニンゴン)駅に入線する。写真左の線路がヤンゴン環状線。
駅構内が線路市場となっているDanyingon駅に到着した、Hlawga発ヤンゴン環状線直通のアトゥーヤター(冷房付特別列車)。
ヤンゴン環状線との線路共有区間を走る、Computer University発Yangon行きの列車。

Lan Ma Daw〜Pha Yar Lanにて
元JR北海道キハ48と共に、コンピューター大学支線運用に就く元松浦鉄道MR-100形+JR東日本キハ58形の2両編成。写真はInsein行き入庫運用。

Pha Yar Lanにて
2時間を要して、終点のYangon駅に到着する。
朝5:15、夜が明ける前のYangon駅に到着したキハ58 1514+MR-109(現RBE5019+RBE2575)。
夜を切り裂くように、力強く黒煙を上げてComputer Universityへ向けて発車するMR-100+キハ58形。

Yangonにて
明け方のYangonに停車中の、Computer University行きのJR北海道キハ48形。
窓から身を乗り出して、ヤンゴンの日の出を眺める少女たち。今日も一日が始まる。
1駅間の前面展望(最初のComputer University出発時は切れています)。コンピューター大学支線は単線だが、将来の複線化の準備工事として、土地の確保と一部橋梁の複線分架設が完了している。

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全区間ノーカットの前面展望映像。
Hlawga→Aung Sanmyo間はキハ48 301(RBE2588)の貫通路から、Aung Sanmyo→Yangon(ヤンゴン中央駅)間は同車の助士席側窓から撮影。全区間複線。高運転台からの眺めは非常に良く、対向列車よりも高く見える。先行列車のYangon駅入線待ちにより、Pha Yar Lan駅及びその手前で長時間停車している。Yangon駅ではホーム屋根の雨どいと車両の屋根が接触している。

※ミャンマー鉄道運輸省の許可及び乗務員の方々の多大なるご厚意の下撮影

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早朝の5:50、朝焼けの中Yangon(ヤンゴン中央)駅を発車する、Computer University(コンピューター大学)駅行きの列車。発車時に警笛を鳴らす(タイフォンカバーの開閉が確認できる)。

元JR北海道のキハ48(キハ48 301+キハ48 302)は2両固定編成のため、総括制御が出来るようジャンパ栓やブレーキホース(エアーホース)は接続されている。エンジンは片方の車両しか稼動させない。この時は2両目のキハ48 301(RBE2588)をエンジン稼動させ、先頭車は無動力状態で運転していた。

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松浦鉄道時代そのままの塗装で活躍するMR100形(RBE2575=旧MR-109)と、ミャンマー国鉄RBE標準塗装に変更された、元JR東日本キハ58 1514(RBE5019)。日本ではありえなかった組み合わせで編成を組んで活躍している。
ジャンパ栓やブレーキホース(エアーホース)は車両間で一切接続されておらず、進行方向の先頭車のみがエンジンを稼動させ、牽引及び制動を行う。

キハ58は検査を受けたばかりのようで、車体や床下の塗装が美しい状態である。

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Yangon駅(ヤンゴン中央駅)始発Insein(インセイン)駅行きの、元JR北海道キハ48と、East University(東大学)始発Insein行きの元JR東日本キハ58の一瞬の並び。両者とも日本時代は寒冷地で活躍していたが、現在は灼熱の地で活躍する。
(キハ48 302(RBE2589)の凄まじい排気により、ビデオカメラが転倒しかけた)

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Yangon駅(ヤンゴン中央駅)の5番線から6番線に低速で転線する、Insein行きの列車。バックの金色の屋根は、ミャンマー伝統建築様式のYangon駅の駅舎。

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夕方のYangon駅(ヤンゴン中央駅)を発車する、Insein行きの列車。エンジンは2両編成のうち先頭車両(RBE2589=元キハ48 302)のみ稼動させている。乗務員さんが手を振ってくれた。

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早朝5:20、Yangon駅(ヤンゴン中央駅)に入線する、Insein発Yangon行きの列車。折り返しComputer University(コンピューター大学)行きとなる。ホームではまだ多くの人がベンチやハンモックで寝ている。

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