ブエノスアイレス地下鉄 元 営団地下鉄500形

Tweet

実車紹介 地下鉄丸ノ内線向けの車両として、1954年〜1969年に300形・400形・900形と合わせて320両が製造された。後継の02系の導入に伴い1996年に丸ノ内線からは引退したが、1995年〜1996年にアルゼンチンのブエノスアイレス地下鉄に131両が譲渡。車体色はそのままに車体裾への鉄製のスペーサーの設置等の若干の改造を施したうえで現地での運用を開始した。2015年〜2016年に老朽化のため32両が廃車となったが、残りの車両は引き続き運行を継続している。なお、車体色は現在は大半が変更されている。
当サイト内実車紹介ページ 「ブエノスアイレス地下鉄−元 営団地下鉄500形」
種車(改造元模型車両)
KATO 10-1134「丸ノ内線の赤い電車 営団地下鉄500形 3両基本セット」・10-1135「丸ノ内線の赤い電車 営団地下鉄500形・300形 3両増結セット」
製作数 6両編成1本(2018年製作)
加工箇所 ・室内灯組み込み
・ウェザリング加工
・車体裾へのスペーサーの設置
・各ドア上に「Metrovías」ロゴステッカーの貼付
・先頭車前面窓への編成記号(「I」編成)の貼付
・先頭車前面窓のHゴムの墨入れ

■実車
ブエノスアイレス地下鉄B線で活躍する500形。車体色は丸ノ内線時代と変わらずにデビューしたが、導入から20年以上経過して色褪せや汚れが目立つ。
写真はI編成で、300形・500形を混結した770-310-590-703-311-657から成る。KATOの製品と同様、2号車と5号車に300形を組み込んだ編成(但し車両番号は模型と異なる)のため、この編成をモデルとして模型で再現することとした。
カーブを曲がってEcheverría駅に入線する元 営団地下鉄500形I編成(657以下6両編成)。落書きを除去したためか、車体の塗装が色褪せしてしまっている。

Full HD Video

■製作した模型
改造前の模型。車両番号は705-314-663-706-308-664で印刷済みでI編成とは車両番号が異なるが、編成構成は同一である。なお、300形は、実車はすべて運転台完全撤去・戸袋窓閉塞の改造が施されているが、今回の模型での再現は割愛する。
「トンネルを走る地下鉄車両ならばやはり室内灯を」ということで室内灯を組み込む。KATO純正品の11-212「LED室内灯クリア 6両分入り」を使用。
室内灯組み込みの様子。照明板は車体の長さに応じてカット。
ブエノスアイレス地下鉄に渡った500形らしさを表現するにはどうすれば良いか検討したところ、綺麗な塗装状態のままでは違和感があることに気づき、初のウェザリングに挑戦してみることにした。

※東京メトロで復元された500形のお披露目時の塗装状態があまりに綺麗だったので、私にはまるで模型のように見えた。丸ノ内線現役時代でも、塗装はもう少しくすんでいた記憶がある。
ウェザリングについて調べた結果、タミヤの「ウェザリングマスター」が手軽との情報を得て、早速試してみることにした。ススやサビの汚れや、色褪せを表現するため「Bセット」を使用。
付属の筆・スポンジを用いて着色開始。屋根上については、現地で上から車両を見下ろした写真を撮っておらず、汚れ方が分からなかったため、東京メトロに里帰りした際の500形の屋根上の汚れ方を大いに参考にした。
マスキング完了。最後に「つや消しクリア」を塗布してコーティングする(「ウェザリングマスター」は最後にコーティングしないとウェザリングが徐々に取れてしまう)。
3両にウェザリングを施した状態。あえて思いっきり汚してみた。
ウェザリング実施前後の車両の比較。差は一目瞭然。
車体裾のスペーサーの再現方法を検討。複数の大きさ・形状の三角棒を買い、実際に模型に三角材を当ててみて比較検討した。
スペーサーを取り付けてみたところ。ドアの沓摺(くつずり)部は当初黒に塗装すればスペーサーを取り付けなくても目立たないのではないかと思ったが、実際に取り付けてみると予想以上に目立つことが判明し、薄く切ったプラ板を追加で取り付けることにした。
沓摺(くつずり)部へのプラ板の設置(左側:施工済み(切断面塗装未)、右側:未施工)。細かな差だが、あると無いとでは出来栄えに大きな差が出ることが分かった(上から見下ろすことが多い模型では顕著だ)。2時間かけて編成あたり全36箇所(1両あたり片側3箇所×両側×6両分)の沓摺部にプラ板の設置を終えた。
スペーサー設置完了。
6両の改造が完了。仕事から帰ってきた後の夜に作業し、3日間で作り終えた。
編成組成。
前面窓の編成記号表記(「I」編成表記)は実車の質感を考慮してテプラで再現。しかし、家にあるテプラでは模型サイズの文字の出力は不可能である。様々な検討をした結果、「武」の字の左上の横棒の部分だけを切り出して代用することにした。思った以上に違和感がない結果となり満足している。
比較用に購入した未加工の製品(車内照明のみ組み込み改造実施)と並べる。東京メトロはブエノスアイレスから里帰りさせた車両をレストアし、塗装も新車のような鮮やかな色に蘇らせたが、当方は逆に汚してみた。ドアの上に貼った「Metrovías」ロゴステッカーも雰囲気が出ている。
行先表示は未加工(「池袋」表示のまま)だが、今後B線の行先表示に貼り替える予定。
正面がちに車両を眺める。車体裾に設置したスペーサーが目立つ。
管理人が所有している営団地下鉄500形(+α)を一堂に並べてみた。
室内灯が点灯すると、より雰囲気が出る。やはり地下鉄車両はこうでなくては。
模型の編成を側面から見る。
ウェザリング具合は実車と同様、車両によって作り分けた。
海外に渡った営団地下鉄(東京メトロ)車両の夢の競演?インドネシア・ジャカルタのKRL Commuter Line仕様の05系と並べる。
KATO製の営団地下鉄500形の模型をベースに、ステップの取り付け・ウェザリングの施工・車内照明の設置等の改造を施して製作した、アルゼンチン・ブエノスアイレス地下鉄のB線で活躍する500形。

Full HD Video

「模型で楽しむアジアの地下鉄・都市鉄道」トップに戻る

Tweet