フィリピン国鉄(PNR)DMR1

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フィリピン国鉄DMR1は、2009年に製造された液体式気動車である。3両編成6本(18両)が製造され、全車両が韓国の現代ROTEM製。2009年7月より営業運転を開始た。

2M1T(DMR+ITR+DMR)で構成されている。車体はフィリピン国鉄初の軽量ステンレス製。客用扉は各車両片側2か所。車内はオールロングシートで、座席はFRP製である。車両寸法は長さ21,300mm(先頭車は21,400mm)×幅2,850mm×高さ4,060mm。最高速度は80km/h。自重はDMRが37.1t、ITRが36.8t。

2011年に5編成増備する計画があったが実現せず、代わりにJR東日本より203系等の中古車両を導入した。現在、DMR1は事故や故障により稼働可能車両が減り、稼働可能な車両を組み合わせて使用している。2019年3月現在、3編成が稼働している。

編成 DMR ITR DMR
DMU1 DMR-01 ITR-01 DMU-02
DMU2 DMR-03 ITR-02 DMU-04
DMU3 DMR-05 ITR-03 DMU-06
DMU4 DMR-07 ITR-04 DMU-08
DMU5 DMR-09 ITR-05 DMU-10
DMU6 DMR-11 ITR-06 DMU-12
※新製時の編成(現在は稼働可能な車両を組み合わせて使用)

2009年に導入されたDMR1。韓国の現代ROTEMで製造された。軽量ステンレス車体の2扉車で、DMR(Mc)-ITR(T)-DMR(Mc)の3両固定編成である。フィリピン国鉄向け新造車としては初のステンレス車・冷房付車両である。写真は2012年の姿で、導入時から既に3度の塗装変更を経ている(導入時はPNRのロゴが異なり、前面窓周りの青色塗装もなかった)。

Pasay Road〜EDSAにて
朝のBlumentritt駅に停車中のTutuban行きDMR1。
2015年に203系と同様に全面塗装され、紺色にオレンジ帯が入った姿となった。

上写真:Blumentritt〜Tutubanにて
下写真:Tutuban〜Blumentrittにて
2019年に8000・8100 Seriesに合わせた白色ベースの塗装に再度変更された。また、投石除けの金網が前面・側面ともに撤去された。

Blumentritt〜Tutubanにて
車内の様子。オールロングシート。ほぼ終日全線に亘って混雑しており、2扉車であることから各駅での乗降に時間がかかっている場合もある。
つり革の欠損箇所には203系等の予備車から捻出したものが使用されている。
座席はFRP製。
車椅子スペース。車椅子固定器具も設置されている。ドア窓は小さく、一部車両では鉄板で塞がれている。
ドアの脇に排気管が設置されている。
つり革と天井。造形が製造国である韓国の通勤型電車テイストである。
ガラスは中国製。
車端部。貫通扉は窓がない(通常は開放状態で固定)。
現代ROTEMの製造所銘板。
乗務員室仕切り。前面展望は不可。
運転台。
電車と変わらぬ高性能な加減速性能を誇るDMR1が行く。

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車体を上下に大きく揺らしてEDSA駅に到着する、Alabang行きの列車。すべての窓には投石除けの金網が設置されている。DMR1で運行される列車では最後尾に車掌が乗務している。

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2015年にステンレス車ながら全面塗装に変更されたDMR1。2017年11月現在、3編成が運行されている。

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小雨の中を行くAlabang行きのDMR1。警笛の鳴らし方が名鉄のようだ(長い警笛の後に短い警笛を連続2回)。

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投石対策で小窓のドアが特徴のDMR1。ドアが閉まると軽快に発車していった。

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