台湾桃園国際空港スカイトレイン

台湾桃園国際空港(旧 中正国際空港)は、2003年1月18日に「スカイトレイン」と呼ばれる新交通システムが開業した。路線は「北路線」と「南路線」の2系統があり、いずれも第1ターミナル(第一航廈)と第2ターミナル(第二航廈)を結んでいる。路線延長は両路線とも660mで、第1ターミナル駅付近を除いて複線となっている。日本の新交通システムをベースとしており、ゴムタイヤ駆動・側方案内式(AGT)。三相交流600V電化。ATO・ATPシステムによる自動運転(無人運転)を行っている。

北路線は常時1両編成、南路線は常時2両編成で運行される。運賃はいずれも無料。北路線の列車と、南路線の2両編成のうちの片方の車両は飛行機に搭乗もしくは到着・乗り継ぎの客のみが利用できる。南路線の2両編成のうちのもう片方の車両は誰でも(飛行機搭乗客以外も)乗車できる。両駅間の所要時間は約1分30秒。24時間運転を行っており、6:00〜22:00は2〜4分間隔、22:00〜24:00および片方の車両がメンテナンス時は4〜8分間隔で運転され、0:00〜6:00はホームに設置された呼出ボタンを押すことによって運転される。

車両は新潟鐵工所(現 新潟トランシス)製で、2001年に1両単車2本と、2両編成2本の6両が製造された。車体は軽量ステンレス製で、屋根上には分散型クーラーが各車2つずつ設置されている。IGBT-VVVF制御で、制御装置は三菱電機製。最高速度は60km/h。車両やシステムのメンテナンスは台北大衆捷運公司が担当している。2011年頃に塗装が変更された。

現在は北路線と南路線の線路は独立しており、車両配置も完全に分離されている。将来、第3ターミナルが完成した際には、両線を第2ターミナル駅の終端部から第3ターミナルまで延伸し、同時に両路線を第3ターミナルで接続することによって路線を一体化・Uの字型の路線とする予定である。なお、第3ターミナルの完成時期は未定(着工もされていない)。

(配線図:管理人制作)

台湾桃園国際空港の新交通システム「スカイトレイン」の南路線。2両固定編成の車両が運行されている。

第2ターミナルにて
南路線の列車。2両固定編成だが、両車両間に貫通路はない。車両番号は前面の窓ガラスの窓に貼られている。導入された6両のうち、「1」〜「4」が南路線、「5」、「6」が北路線にて運用している。

第2ターミナルにて
第2ターミナル駅に停車中の南路線の列車。
対向車から撮影した南路線の列車。

第2ターミナル〜第1ターミナルにて
南路線の車両の車内。ロングシートで座席は片側4人掛け(座席定員8人)。扉付近にはスタンションポールが設置されている。
新潟鐵工所(現 新潟トランシス)の車内銘板。
ドアコック位置表示ステッカー。日本の国鉄〜JR等で使用されているものとデサインが似ている。
南路線第2ターミナル駅のホーム。すべての駅にプラットホームスクリーンドア(PSD)が設置されている。
第2ターミナル3階にある、スカイトレイン南路線のホームへの連絡通路。ターミナルとホームは、やや離れている。
南路線第1ターミナル駅のホーム。両側にホームが設置されており、CIQの関係で車両によりドアの開く側が異なる。
南路線第1ターミナル駅に停車中の車両から、第2ターミナル方面を眺めたところ。
北路線の車両。両運転台車両で終日単行運転されている。

上写真:第1ターミナル〜第2ターミナルにて
下写真:第2ターミナルにて
北路線の車両の車内。南路線の車両とほぼ同一仕様である。
北路線第2ターミナル駅のホーム。列車は1両だが、ホームは2両分設置されている。
プラットホームスクリーンドアはすべてナブテスコ製。
2011年頃に全車両の塗装が変更された。写真は北路線の両運転台車両(車両番号5・6)。
新塗装は白地に青が入ったものとなり、側面のステンレスの外板を含めて全塗装に変更された(従来は無塗装)。
南路線の車両(車両番号1〜4)の新塗装。北路線の車両と同一塗装である。
新塗装化時に側窓には「Skytrain」の文字とマークが追加された。
南路線の車両(2両固定編成)の連結部。
新塗装化後の車内の様子。車内は特に大きな変化は見られない。
車両は新潟鐵工所製。ATO・ATPシステムによる自動運転(無人運転)を行っている。

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新塗装化されたSkyTrainの列車。南路線は終日2両編成で運転される。

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スカイトレイン南路線走行音(第2ターミナル→第1ターミナル)IGBT-VVVF制御で、制御装置は三菱電機製。
Mc-Mc(2M0T)の2両編成。
扉開閉時にはドアチャイムが鳴る。ドアチャイムは新潟鐵工所=新潟トランシス製の車両標準のもの。

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