BTS車両紹介長春軌道客車製車両

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中国・長春軌道客車製車両はシーロム線の延伸開業(サパーンタクシン〜ウォンウェンヤイ)に伴い導入された車両である。2M2T(Tc1-M1-M2-Tc2)の4両編成で、2010年に12編成、2013年に5編成が製造された。車体はアルミ合金製で、Siemens製の車両と同様にタイの国旗の色である赤・白・青を基本としている。車両寸法は長さ21,500mm(先頭車は22,125mm)×幅3,120mm×高さ3,847mm。最高速度は80km/h。車両システムはBombardierが担当している(同社の「MOVIA」型をベースにしている)。車両のデザインはポルシェデザインスタジオが担当。

シーロム線のサパーンタクシン駅構内のみ単線となっており、列車の増発が容易に出来ないことと、ウォンウェンヤイまでの延伸に伴う利用客の増加に対応するため、BTS初の4両編成となっている。当初はシーロム線でのみ運用に就いていたが、その後スクンビット線でも運用されるようになった。車両形式名はないが、車両番号は順に1800番台(Tc)-2800番台(M)-2900番台(M)-1900番台(Tc)となっている(下2桁は編成番号)。編成番号はSiemens製車両の続番となっており、36番以降が割り振られている(第36編成ならば車両番号は順に1836-2836-2936-1936と付番されている)。

2010年6月26日に第1期分として製造された48両の引渡し式がレンチャバン港で行われた(48両まとめて導入された)。

シーロム線に集中導入された、長春軌道客車製の車両。塗装は既存のSiemens製車両のイメージを残しつつ、前面デザインを大幅に変更している。BTS初の4両編成。

サナームキラーヘンチャートにて
サパーンタクシン駅に入線する列車。当駅は中間駅にも関わらず、駅構内のみ単線となっている。
乗務員扉の上に記されている、「Design by PORSCHE DESIGN STUDIO」のマーク。なお、Siemens製車両のデザインはメルセデスベンツが担当している。
前面にはLED式行先表示機が、非常扉をはさんで左右2つに設置されている。通常動作であれば、片側ででタイ語・もう片側で英語表示をする。
左右で同じ内容を表示する場合もある(タイ語・英語の交互表示)。
前面のデザイン。ドアのガラス形状はSiemens製車両と類似した三角形となっているが、角にRがついている。
側面のLED式行先表示機。タイ語・英語を横スクロールで交互表示する。
台車。台車枠中央に集電装置が設置されている。
連結部。窓周りの黒塗装がSiemens製車両と異なっている(Siemens製車両は、車端部は黒塗装されていない)。
車内の様子。スタンションポールが少なくなり、Siemens製車両より広々とした印象である。また、照明の数が増加したことと、車内の配色の変更により、Siemens製車両よりも車内が明るくなった。つり革は黄色。
座席はFRP製。ロングシートだが微妙に弧を描いている。弧の向きがSiemens製車両と逆である(Siemens製車両は座席の両端が膨らんでいるのに対し、長春軌道客車製の車両は中央が膨らんでいる)。
側窓の上部に設置されているLCD(1両あたり6台設置)。画面の下段で次駅案内を表示する(タイ語・英語)。
特徴的なドアの形状。取っ手の形状は長方形(Siemens製車両は三角形)。窓の大きさはSiemens製車両よりもやや小さい。
マップ式案内装置。既に走行した区間を赤、これから走行する区間を緑、次駅を黄色で表示する。
「CCC認証マーク」が入ったガラス。
なお、「CCC」とは中国強制認証制度(China Compulsory Certification)のことで、中国に輸入される製品の安全基準を満たしているかを審査・認証する制度である(認証された製品にはCCC認証マーク(及び工場コード)の表示義務がある)。
貫通路。車端部には白色LEDの照明が設置されている。
中国北車集団(CNR)の車内名板(ステッカー)。
長春軌道客車は中国北車集団のグループ企業。
乗務員室の背面。窓ガラスはなく、前面展望は不可(Siemens製車両も同様)。
運転台の様子。右手操作式ワンハンドルマスコンである。速度計などは液晶ディスプレイに表示。
マスコンの形状や各種機器の配置がSiemens製車両から変更されている。
チョンノンシー駅前後の急カーブを走行する、サナームキラーヘンチャート(国立競技場)行き列車。

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BTS最大の駅であるサイアム駅に到着する、サナームキラーヘンチャート行き列車。

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サナームキラーヘンチャート(国立競技場)駅に入線する、当駅始発の列車。

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タイ語と英語を横スクロールで交互表示する。

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既に走行した区間を赤、これから走行する区間を緑、次駅を黄色で表示する。

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中間駅にも関わらず、駅構内のみ単線となっているサパーンタクシン駅。両方向の列車が、交互に高頻度で入線する。シーロム線増発のネックとなっている。

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長春軌道客車製車両走行音(サパーンタクシン→クルントンブリー)IGBT-VVVF制御で、制御装置はBombardier製。
Tc-M-M-Tc(2M2T)の4両編成。
扉閉時にはドアブザーが鳴る。
長春軌道客車製車両走行音(クルントンブリー→ウォンウェンヤイ)
長春軌道客車製車両走行音(サナームキラーヘンチャート→サイアム)

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