05系千代田線転属改造車 営業運転開始

新木場CRにて千代田線北綾瀬支線(北綾瀬分岐線)向けに改造された元 東西線05系が、同線にて深夜・日中の試運転を繰り返したのち、2014年4月28日より営業運転を開始した。

今回の転属改造では、制御装置・主電動機の交換(4象限チョッパ制御(高周波分巻チョッパ制御)→IGBT-VVVF制御化)、ワンマン運転関連機器の新設、行先表示器・運行番号表示器の交換(行先表示器:フルカラーLED・運行番号表示器:白色LED)、客用ドア・車両間の貫通扉・前面非常扉・乗務員室ドアの交換、車内案内装置のLCD化、袖仕切りの変更、車内化粧版の交換、車椅子スペースの新設(65Fのみ東西線時代に設置)、帯色の変更、先頭車前面車両番号位置の変更、冷房装置の交換等が実施された。また、05-100形を電装化の上、2M1T(実質的には1.5M1.5T)の3両編成となっている。

編成番号は元01Fが63F、元03Fが64F、元06Fが65F、元13Fが66Fとなり、前面非常扉に掲出されている。

従来、北綾瀬支線用の車両は3本体制であったが、2014年3月15日のダイヤ改正より同線は平日・休日ともに日中・夜間で増発され、1編成のピストン運行から2編成を使用した運行に変更された。このため、05系は4本を改造して運用増に対応している。

東西線での引退から約3年のブランクを経て、千代田線北綾瀬支線にて営業運転に復帰した05系トップナンバー編成。編成番号は63F。2014年5月16日より営業運転を開始した。

北綾瀬にて
綾瀬へと向かう63F。当編成は1988年製で登場から26年が経つが、元々の先進的なエクステリアに今回の更新工事を行ったことにより、今でも新車と比べても遜色ないレベルである。

北綾瀬〜綾瀬にて
65F(東西線時代:06F)。一番最初に千代田線北綾瀬支線向けに改造された編成である。2014年5月4日より営業運転を開始した。

綾瀬検車区にて
営業運転開始前に営業列車の合間を縫って試運転を行い、試運転終了後に綾瀬検車区へ戻ってきた66F(東西線時代:13F)。

北綾瀬〜綾瀬検車区にて
2014年4月28日より営業運転を開始した66F。千代田線北綾瀬支線で最初に営業運転に就いた編成である。

北綾瀬にて
JR車と並ぶ05系63F(上写真)と66F(下写真)。05系1次車は前面窓の上部高さが2次車以降と比較して低いため、1次車から改造された63F・64Fと2次車以降から改造された65F・66Fとでは、前面の印象が若干異なる。
05系を俯瞰。先頭車の屋根上に設置されていたJR線用の列車無線アンテナ及び信号炎管は撤去されている。また、冷房装置は車外放送用スピーカー内蔵の大容量タイプのものに交換された。
前面の行先表示は通常、「ワンマン」と「綾瀬⇔北綾瀬」の交互表示。「ワンマン」表示は背景が青、「回送」や「試運転」表示は背景が赤で表示されるため、種別表示部のみフルカラーLED・その他部分は白色LEDを採用している15000系・16000系の行先表示器と異なり、全面フルカラーLEDである。
パンタグラフは改造前からの菱形のものを流用。車両番号はホームドア対策で側面上部にも追加された。従来の車外スピーカーは使用停止ながら存置されている。
側面の行先表示器は撤去され、ガラスの内側から灰色のステッカーで目張りされている(新木場CR出場後暫くはステッカーも貼られていなかった)。
車内の様子。床や座席のモケットは、16000系と同様に青系統に変更された。袖仕切りも大型のものに変更され、座席を2-3-2人掛けで区切るスタンションポールも追加された。
座席。元々バケットシートではなかった66F(元13F)以外の編成も含めて、全車両とも16000系のものに類似したバケットシートに交換された。なお、座席の交換は綾瀬検車区にて行われ、新木場CR出場時は東西線時代のモケットのままであった。
ドア周り。全てのドアが新品に交換されている。ドアエンジンは空気圧作動式で、戸閉力弱め機構を搭載する。ドアチャイムも3点式のものに変更された。
全てのドアの上(鴨居部)には従来の3色LEDに代わり、LCDを2基設置。扉開閉と連動して点滅するLEDランプも設置されている(通常開閉しない側のドア(北綾瀬行き列車基準で進行方向右側のドア)にも設置)。
LCDの表示画面。次駅表示や行先表示は漢字・ひらがな・ローマ字のアニメーション切替表示。
列車の進行にあわせて、路線図上で列車のイラストが段階的に進んでゆく。
北綾瀬支線区間だけでなく、千代田線(本線)や直通するJR常磐線・小田急線の広域路線図の表示にも対応している。
車内の照明はすべてLEDに交換されており、車端部にはそのことを示すステッカーが掲示されている。また、つり革も新品の灰色のものに交換されている。
川崎重工の製造所銘板。今回の改造・更新に関連する銘板は取り付けられていない。
車端部。優先席のモケットは16000系と同様の水色のものとなっている。貫通扉も、形状自体は従来品とあまり変化はないものの、新品に交換された。
中間車の北綾瀬側車端部に設置された車椅子スペース。
乗務員室仕切部。乗務員室の扉のガラスは透明なものに交換された(従来はオレンジ色の着色ガラス)。
客用ドアの下部には黄色い識別板が追加されたが、通常ドアが開閉する側(北綾瀬行き列車基準で進行方向左側)のみ設置されている(写真左側のドアの下部にはあるが、右側にはないのが確認できる)。
乗務員室の様子。緑基調であった化粧板は白色に変更され、大半の機器も更新されている。従来、前面非常扉と運転台の間にあった仕切りも撤去され、より広々とした印象を受ける。
運転台。両手操作形(T型)ワンハンドルマスコンに交換された。ATO運転・ワンマン運転に対応している。
運転台上部には4画面タイプのCCTV(ホーム監視用モニター)を設置している。現状では2画面のみ使用。
運転台のTISモニター画面。画面右側の「出発案内」と書かれた部分をタッチすると、出発の車内案内放送が流れる。
乗務員室上部に取り付けられている編成内車両番号表示プレート。
SiCモジュール適用のIGBT-VVVF制御。発車の際は運転台のTISモニター画面をタッチして自動放送を流す。ドアが閉まった後はマスコンをニュートラル位置にしてATO出発ボタンを押下。営業最高速度は60km/h。

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北綾瀬駅を発車する05系トップナンバー編成。千代田線移籍後の編成番号は63F。従来の4象限チョッパ制御からIGBT-VVVF制御に更新されている(制御装置は三菱電機製)。

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北綾瀬駅に入線する05系63F(東西線時代:01F)。東西線での引退から約3年のブランクを経て営業運転に復帰。

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切欠きホームの綾瀬駅0番線に入線する05系63F(東西線時代:01F)。

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北綾瀬駅を発車する05系66F(東西線時代:13F)。当編成は05系初期車(01F〜13F)の最終増備車である。初期車13本のうち、4本が千代田線転属(01F・03F・06F・13F)、8本がインドネシアのKRL JABODETABEKに譲渡(02F・04F・05F・07F〜10F・12F)、1本が近畿車輛に譲渡(11F)となった。

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前面の行先表示は「ワンマン」と「綾瀬⇔北綾瀬」の交互表示。換装されたIGBT-VVVF制御の磁励音と共に発車してゆく。

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