ベトナム国鉄ハノイ駅・ハノイB駅

Tweet

Ha Noi(ハノイ/河内)駅は首都ハノイの中央駅である。南北鉄道(統一鉄道)及びGia Lam(ザーラム)方面に延びる路線(ドンダン線・ハイフォン線・ラオカイ線・クアンチュウ線の共用区間)の起点駅である。

フランス統治時代の1902年に完成した。ベトナム戦争中の1972年12月21日に駅舎の中央部分がアメリカ軍によって空爆されたが、南北統一後に再建され1976年12月4日に完成した。駅舎は元々ルネサンス様式の建物であったが、再建された駅舎の中央部だけはソビエト建築様式となっている。

ホームは5面あり、1番線から10番線まである(5面10線+留置線)。2014年より順次、ホームの高床化や跨線橋の整備など、近代化が進められている。

一方、ハノイ駅の背後(ハノイ駅の駅舎から見て北西側)には、通称「ハノイB駅」と呼ばれる駅舎があり、南北鉄道以外の列車に乗車する場合はこちらを使用する(駅舎が面している通りの名前から「Tran Qui Cap(チャンクイカップ)駅」とも呼ばれている)。改札内(ホーム等)はハノイ駅と共用であるが、行先別に駅舎が分けられているのである。ハノイ駅とハノイB駅を移動する場合、原則構内は通り抜けられず、外の道路を10分程かけて迂回する必要がある。なお、降りる場合は実態として、どちらの駅舎側からも降りられる。

ハノイ駅の駅舎外観。ベトナム戦争時に爆撃を受けて再建された中央部分を除いて、1902年建設当時の駅舎を使用している。フランス統治時代に建てられた影響で、建物はルネサンス様式である。
駅はハノイの中心部に位置する。
1976年に再建された駅舎中央部。コンクリート造りで修復されており、この部分のみソビエト建築様式である。1つの建物にフランス様式とソビエト様式が混在している姿もまたベトナムの歴史を鮮明に映し出している。
「GA」はベトナム語で駅(フランス語で駅を意味する「Gare」に由来)。
駅前通りのTran Hung Dao(チャンフンダオ)通りからハノイ駅を見る(写真奥がハノイ駅駅舎中央部)。
夜は美しくライトアップされる。
コンコース。入って左側が切符売り場、右側が待合室、正面がホーム(1番線)となっている。列車ごとに改札を行っている。
南北鉄道(統一鉄道)の時刻表。
切符売り場の入口。
切符売り場内部。窓口は整理券方式で、窓口の上に整理券の番号が表示されたら窓口に向かう(閑散時間帯は整理券不要)。
切符売り場に設置されている、列車別・座席種類別の残り座席数を表示するモニター。
座席種類は「ソフトベッド」、「ハードベッド」、「ソフトシート」、「ハードシート」の4種類がある(列車によっては一部種類しかないものもある)。
待合室。
改札は列車別に行っており、改札前にアオザイを来た女性係員が待機している。
駅舎に面した1番線の様子。ホームは2014年に高床化された(ベトナム国鉄の大半の駅は低床ホームで、高床化されたホームがある駅はハノイやサイゴン等のごく僅かである)。
1番線以外へは跨線橋で渡る。この跨線橋も2014年に設置されたもので、かつてはホームの両先端から線路を渡って移動するしかなかった。跨線橋がある駅もベトナム国鉄では非常に珍しい。
跨線橋から見たホームの様子。かつては1番線以外はホームの屋根もなく、2014年に跨線橋と共に新設された。
ホーム側から見た、ソビエト様式の駅舎中央部。
ホームの端はスロープ状になっており、構内踏切で結ばれている。写真はホーム最北端。
ホームで洗車中の車両。
発車を待つ南北鉄道(統一鉄道)の列車。
2016年1月時点でも、9・10番線ホームは高床化されておらず、跨線橋も工事中であった。工事は順次進められている。
夜のハノイ駅のホーム(ホーム最南端より)。
ホーム屋根に設置されているLED式時計には時刻・年月日・曜日・気温に加えて朔望月(Lunar Month)も表示している。
Nguyen Khuyen(グェンクェン通り)の踏切から見たハノイ駅構内。ハノイ駅からハノイB駅へ北回りで向かう際はこの踏切を渡る。
Tran Qui Cap(チャンクイカップ)通りに面しているハノイB駅(通称)。
ハノイB駅の駅舎。ハノイ駅の駅舎と比較すると小さい。ハノイから北に向かう列車はこの駅舎側から乗車する。
かつて、駅舎の上の駅名標は「GA B HA NOI」(=ハノイB駅)と明確にB駅と書かれていたが、現在は「GA HA NOI」とだけ書かれている。
ハノイB駅の駅前広場。
ハノイB駅の切符売り場。ハノイ駅から北へ行く列車は踏切渋滞対策のため日中はほとんど運転されていないため、列車発着時以外は閑散としている。
ハノイB駅の待合室。別棟である。
待合室の内部。
ハノイB駅側の主業務は貨物扱いである。貨車や荷物を運ぶ車・バイクが待機している。
ハノイB駅側からハノイ駅のホームに入る(ホームの最北端に出る)。
ホームは共通であり、列車行先別にハノイ駅・ハノイB駅と駅舎が分けられている。
ハノイ駅のホーム最北端の構内踏切から北側(ロンビエン・ザーラム方面)を見る。写真左奥がハノイB駅の駅舎方面。

「ベトナムの鉄道トピックス」に戻る

Tweet