港鐵 観塘線
クントン線 / MTR Kwun Tong Line

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港鐵(MTR)観塘線(クントン線)は油麻地(ヤウマーテイ)〜調景嶺(ティウケンレン)間15駅15.8kmを結ぶ路線である。うち、九龍湾(ガウロンワン/カオルーンベイ)〜藍田(ラムティン)間は地上区間である。全区間複線(左側通行)で、架線集電方式による直流1,500V電化。軌間は1,432mm。ワンマン・ATO運転を実施している。車両基地は九龍湾車廠。

旧・香港地下鉄で最初に開業した路線で、最初の開通区間である石硤尾(セッキプメイ)〜観塘 間は1979年10月1日に開通した。観塘線は現在に至るまで路線ルートを2度変更しており、1979年12月16日から1982年4月25日までは現在は線の区間である油麻地以南も観塘線であったが、1982年4月26日より油麻地が終点となった。また、1989年8月6日に観塘〜(ジェッキューチョン) 間が、2001年9月27日に〜北角(パッコ/ノース・ポイント)間が延伸開業したが、2002年8月18日の将軍澳線の開業により藍田〜北角 間は廃止され、代わりに藍田〜調景嶺 間が開通した。このため、藍田以北の利用客が北角に行くためには従来は乗換不要であったが、将軍澳線開通後は油塘での乗換が必要となった。なお、将軍澳線の北角〜油塘手前までは従来の観塘線の線路・トンネルを流用している。

列車は8両編成で運行される。車両はMetro-Cammell(イギリス)及びGEC Alsthom製の「M-Train」("M"はMetro-Cammellの頭文字)(1979年〜85年製、1998〜2001年に全車両更新)が20編成運行しているほか、2011年より中国北車(現:中国中車)製の「C-Train」("C"はChangchunの頭文字)が導入され、22編成が運行されている。かつて2002年〜2010年には韓国のROTEM及び日本の三菱の合作車両である「K-Train」("K"はKOROS(ROTEMの旧社名)の頭文字)が13編成運行されていたが、現在は将軍澳線に全車両が転属した。なお、開業当初は4両編成だったが、1980年に6両編成化、1986年に8両編成化された。

2016年に油麻地〜黄埔 間が延伸開通する予定。

(路線図:管理人制作)

九龍湾車廠の脇を行くC-Train。観塘線は九龍湾駅の北側から藍田駅の東側までが地上区間である。

九龍湾〜彩虹にて
離合するM-Train。

九龍湾〜彩虹にて
九龍湾に停車中。観塘線の地上駅3駅(九龍湾・牛頭角・観塘)はいずれも高架駅で島式ホームである。
九龍湾駅の北側のトンネルの坑口。写真奥が彩虹方面。
観塘道をオーバークロスする。

九龍湾〜彩虹にて
高層の商業ビルやマンションをバックに行く観塘線のK-Train。

九龍湾〜牛頭角にて
路線名の由来になっている観塘駅。
観塘駅に入線するM-Train。写真は可動式ホーム柵(APG)設置前の様子。
2011年に地上駅の3駅に設置された可動式ホーム柵。ガラス張りで、高さは約1.5m。
2002年8月18日に開業した油塘駅。将軍澳線の開業で観塘線は路線が変更され、観塘方面から北角方面へ行くには同駅で乗換えが必要となるようになったが、降りた向かい側のホームで将軍澳線に乗換えが可能である。
九龍湾車廠に留置されている観塘線の車両。九龍湾車廠の上部は人工地盤となっており、高層マンションが建っている。
観塘線で活躍するC-Train。2010年〜2013年に8両編成22本(176両)が中国北車(長春軌道客車)で製造され、2011年12月より営業運転を開始した。2016年7月現在、C-Trainの全編成が観塘線で活躍している。

九龍湾にて
C-Trainを俯瞰。

九龍湾〜彩虹にて
車体は軽量ステンレス製。港鐡の地下鉄用車両としてはK-Train以来のフルモデルチェンジ車である。側扉はK-Trainはプラグドアであるのに対し、C-TrainはM-Trainと同様に外吊り式を採用した。

彩虹〜九龍湾にて
C-Trainの車内。手すりに黄色いグリップが設置され、袖仕切りには赤のアクセントカラーが入る。鴨居の形状は従来車両より丸みを帯びている。
港鐡の地下鉄車両では初めて車内にLCDが設置された。側窓の上に千鳥配置されている(1両あたり4箇所設置)。
LCDの表示内容。広告等が放映され、画面の下部に次駅案内等が表示される。
各車両には防犯カメラが4台設置されている。
側扉(外吊り式)。
従来車両と同様、ドアの鴨居部にはマップ式案内装置が設置されている。
ドアのガラスは複層ガラス。
各車両にはフリースペースが設けられている。
車端部寄りに設けられている優先席(優先座)。各車両4席設定。
貫通路。
先頭車両の車内。
乗務員室仕切り。緊急時は開放して車両前方から脱出する。
M-Train。観塘線では20編成が運用されている。車体はアルミ合金製。

九龍湾にて
M-Trainを俯瞰。

九龍湾〜彩虹にて
1979年の観塘線開業時(=香港地下鉄開業時)から使用されている。1976年〜1997年にMetro-Cammell及びGEC Alsthomで762両が製造され、2016年現在でも港鐡の車両の中で最大勢力である。2018年頃から置き換えが進められる予定である。

彩虹〜九龍湾にて
M-Trainの車内。車幅は3,200mm、座席はジュラルミン製。1998年から2001年にかけて車内・先頭車前面デザインが大幅にリニューアルされた。
M-Trainの窓上に千鳥配置されているLED式案内装置。次駅案内等のほかニュース、天気予報、広告等も表示する。
広告の表示の例。3色LEDにもかかわらず、LEDの照度を制御して、顔や立体的なイラストも美しく再現している。
2002年から2010年まで観塘線で運行されていたK-Train。車体をROTEM、床下機器や電気系統は三菱電機が製造を担当した。現在は全車両が将軍澳線に再転属し、観塘線では見られなくなった。

九龍湾にて
雨の九龍湾駅に入線〜発車するC-Train。観塘線ではC-Trainが22編成運行されている。

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九龍湾駅を発車するC-Trainを山の上から俯瞰する。右側に見える車両基地は観塘線の九龍湾車廠。

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観塘線の主力車両として活躍するC-Train。朝の九龍湾駅に入線する油麻地行き。

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1駅間の車内の様子。C-Trainは車内の窓上にLCDが設置され、手すりに黄色いグリップが取り付けられている等の特徴がある。IGBT-VVVF制御で、制御装置は三菱電機製。

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1駅間の車内の様子。油麻地〜太子 間は線と路線が並行しており、線からの乗り換え客の多くは対面乗り換えが出来る旺角駅から乗車するため、この区間は観塘線の中でも空いている区間である。

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九龍湾駅を発車する油麻地行きのM-Trainを俯瞰する。

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九龍湾駅付近で離合するM-Train。

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九龍湾駅付近のトンネルの入口で離合するM-Train。高架下では地元の人々が朝の体操(太極拳?)を行っている。

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土砂降りの雨の中を離合するC-Train・M-Train。2016年5月現在、観塘線でC-Trainは22編成、M-Trainは20編成が運行されている。

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朝ラッシュ時間帯に九龍湾車廠を出庫し、彩虹駅へと向かうM-Train。

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観塘駅に入線する、油麻地行きのK-Train。K-Trainは2010年までに全車両が将軍澳線に転属したため、現在観塘線で見ることはできない。
牛頭角駅を発車するK-Trainを真横から見る。現在、牛頭角駅には可動式ホーム柵(APG)が設置され、K-Trainも観塘線 で運行されることはなくなったため、完全に過去の光景となった。さらに、背後の緑色のビルやその隣のビルも現在は取り壊されている。

観塘線C-Train走行音(楽富→黄大仙)IGBT-VVVF制御で、制御装置は三菱電機製。
Tc-M-M-M-M-M-M-Tc(6M2T)の8両編成。
観塘線C-Train走行音(鑽石山→彩虹)
観塘線K-Train走行音(藍田→観塘)IGBT-VVVF制御で、制御装置は三菱電機製。
Tc-M-M-M-M-M-M-Tc(6M2T)の8両編成。
現在は観塘線では運行されていない。
観塘線K-Train走行音(牛頭角→九龍湾)
観塘線K-Train走行音(旺角→油麻地)
観塘線M-Train走行音(旺角→油麻地)電機子チョッパ制御で、制御装置はGEC製。
Mc-M-T-M-M-T-M-Mc(6M2T)の8両編成。
観塘線列車接近放送(調景嶺にて)当駅どまりの列車のため、行先案内が省略されている。
広東語・北京語・英語の順に放送される。
「列車即将到達。(広東語)/
列車即将到達。(北京語)/
The train is arriving.(英語)」
と放送されている。
(和訳:列車がまもなく到着します。)

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