フィリピン国鉄(PNR)Tayuman基地

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フィリピン国鉄(PNR)South Railの起点駅で、フィリピン国鉄最大かつマニラ最大の駅であるTutuban(トゥトゥバン)駅に隣接するTayuman(タユーマン)基地(Tayuman Depot)は、同線で使用される機関車・客車(元 JR東日本12系・14系客車)・気動車(DMR1・キハ52・キハ59)・電車(203系)等の整備を行う車両基地である。Metro Commuter用の車両のほか、長距離列車(2016年4月現在運休中)の車両等も同基地で整備される。大規模な修繕はCaloocan(カローカン)工場で行われる。

※写真はすべて許可を得て撮影。また、Tutuban駅構内での撮影、Tayuman基地敷地内への立入は特別な事前申請が必要です。

関連ページ:「フィリピン国鉄(PNR) Caloocan工場」「フィリピン国鉄(PNR) South Rail(Metro Commuter)」

Tutuban駅に並ぶ、5本の元JR東日本203系。203系がMetro Commuterの主力車両となった今、このような光景も頻繁にみられるようになった。Tutuban駅は3面6線で、フィリピン国鉄最大の駅。1892年11月24日に開業した。頭端式ホームとなっている。
Tutuban駅構内に停車中のキハ52と203系(第2編成)。Tutuban駅構内の路盤は雨が降るとすぐに水溜りが発生し、このような水鏡も見ることができる。
Tutuban駅に停車中の203系第5編成を低アングルで撮影。
Tutuban駅構内には、2013年10月時点で帯がエメラルドグリーンのままの203系も残存していた(写真はモハ202-121)。床下は半分水没してしまっている。
Tutuban駅に入線する、当駅止まりのMetro Commuterの列車(203系第1編成)。
Tutuban駅に203系で運行される列車が到着すると、入換の機関車が最後尾(Alabang・Calamba側先頭)に連結する為にTayuman基地から出動する。
黒煙を上げて203系を牽引する入換機関車。入換列車発車後、本線で牽引していた機関車(Tutuban寄り先頭)が単行で入換を行う。
Tayuman基地から推進運転でTutuban駅構内へと入線してくる、203系第8編成。203系で運行される列車は、原則Tutuban駅到着後に一旦Tayuman基地へ引き上げ、基地で簡単な整備をしてから再度Tutuban駅構内へと入線し折り返す。
Tayuman基地の修繕庫。写真左の203系第3編成は折り返しの間の整備のために入場中。
Tayuman基地内に停泊するDMR1やキハ52。
元 関東鉄道のキハ350形第3編成(キハ3518+キハ3519)も当基地に留置。Bicol地方で活躍している第1編成・第2編成の予備車であり、まだ窓への金網やスカートは設置されていない(2016年1月時点)。
修繕庫内で整備を受けるDMR1。
屋外にてコンプレッサーの整備を行う。日差しが強いためか、日除けを張って作業していた。
203系の屋根上では冷房装置の清掃が行われていた。きめ細かい整備が行われているお陰で、冷房も非常に良好な状態を保っている。
修繕庫で整備中の203系第3編成。
Tayuman基地の事務所の黒板には、各編成の車両番号が書かれていた。EMU-1〜6は203系、キハ59は「KOGANE」、キハ52の2編成は「KIHA-O」と「KIHA-B」と分類されている(KIHAのOとBは、車体色のOrangeとBlueの略)。「T-611」と「T-612」はBicol Express用の14系客車と12系客車と思われる。
203系の車両番号は頭の「モハ」、「サハ」、「クハ」等を識別しておらず、番号のみで管理している。その為、重複している番号「203-9」(モハ203-9とサハ203-9)が発生したため、モハ203-9は「203-9A」に改番されている(実車の車体表記はモハ203-9Aとなっている)。
2015年に新塗装(ステンレス車体ながら全面塗装)となったDMR1。塗装変更はTutuban駅構内やTayuman基地で行われた。現在、運用に就くことができる車両はすべて新塗装になっている。
修繕庫の外に留置されている、12系・14系客車と、キハ52 123。左の203系第3編成が走る線路は本線。
旧塗装のままのDMR1も修繕庫の外に留置されていた(2016年1月時点)。
部品供出車となっているキハ52 123。世界で最後の、新潟色のキハ52と思われる。
(2016年1月現在、この車両はCaloocan工場に移送された)
キハ52 123の車内。内部は物置きとなっていた。営業運転を外れて長年経過してやや薄汚れているが、まだまだ原形を保っている。
キハ52 123の車両番号プレート。
運転台より前を望む。前面窓ガラスや投石除けの金網が取り外されており、雨ざらし状態となっていた。マスコンは他車に供出したのか、欠損していた。
建屋の外に山積みになったリクライニングシート。JR九州の12系客車のものと思われる。
DMR1は第2編成と第6編成が踏切事故により先頭車が損傷しており、その事故車が屋外に留置されていた。前面の損傷がいずれも激しく、既に側面の窓ガラスなども撤去されている。DMR1は2009年に6編成が韓国の現代ROTEMで製造されたが、事故や故障の影響で2016年1月時点で稼働しているのは3編成のみである。
Tayuman基地の北端からAlabang・Caloocan方面を見たところ。丁度Metro Commuterの列車が入線してきた。
なお、写真の位置付近にはかつてTayuman仮駅があり、South Railは2007年6月まではTutuban駅が長らく終点となっていた(現Tutuban駅自体は以前から存在していたが、暫く使用していなかった)。
気動車・客車・電車の修繕庫と本線を挟んで反対側には、機関車の修繕庫がある(写真奥)。
機関車の修繕庫(機関区)の内部。
当機関区に所属しているCMC-201。1970年代に東急車輛が製造した気動車(自社発注車)の貴重な生き残りである。デビュー時は旅客用だったが、現在は事業用車として使用されている(自走は不可?)。側面には「LOCOMOTIVE SHED」所属の文字が入る。
台車の東急車輛の銘板。「TOKYU CAR」と刻まれており、製造年は1976年になっている。
CMC-201の車内。ロングシートで、座席はFRP製。一部は事業用に改造されているが、旅客車両時代の面影をとどめている。
乗務員室側。
運転台は撤去されている。運転台の位置は進行方向右側。
Tutuban駅構内での列車入換風景。Tutuban駅に到着した203系は最後尾に連結された入換機関車によって構内を移動し、続いてTutuban駅までの同列車牽引機が単行で入換を行う。入換が終わると、Tutuban発Alabang行きの列車(別の203系の編成)が発車し、更にその直後にTutuban止まりの後続列車(DMR1)が到着する。

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203系の車内から眺めた、Tayuman基地(Tayuman Depot)内〜Tutuban駅到着までの様子。Tayuman基地や駅構内には、元JR東日本のキハ52・12系客車・14系客車・203系や、現代ROTEM製のDMR1の姿などが確認できる。

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車体を左右に揺らしながらTutuban駅に入線する203系第1編成。構内を私服で歩いている人はフィリピン国鉄(PNR)の職員である。(フィリピン国鉄には制服がない)

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Tutuban駅に入線する、国鉄色のキハ52形3両編成(キハ52 122+キハ52 127+キハ52 137)。元JR東日本新津運輸区所属の車両である。

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Tutuban駅を発車する、Alabang行きのキハ52形3両編成(キハ52 137+キハ52 127+キハ52 122)。車両番号や所属表記もJR東日本時代のまま残存している。

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関連ページ:「フィリピン国鉄(PNR) South Rail(Metro Commuter)」「フィリピン国鉄(PNR) South Rail(Metro Commuter)」

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