サバ州立鉄道(JKNS)元 名鉄キハ8500系

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塗装を一新し、サバ州立鉄道にて第3の人生を歩む元 名鉄キハ8500系。

名鉄キハ8500系はJR高山本線への直通特急「北アルプス」で使用されていたキハ8000系の後継として1991年に製造された車両である。キハ8501〜8504(先頭車)とキハ8555(中間車)の5両が製造された。製造会社は日本車両。JR東海キハ85系との併結を考慮して、走行機器はキハ85系の設計に準じている。一方、車体は名鉄独自のデザインとなり、車体幅も名鉄規格のためキハ85系よりも狭い。車両寸法は長さ20,800mm×幅2,740mm×高さ3,885mm。最高速度は120km/h。車体は鋼製。

1991年3月16日より特急「北アルプス」として神宮前〜高山 間で営業運転を開始した(晩年は新名古屋〜高山 間に短縮)。また、後に間合い運用として名鉄線内の特急運用にも充当された。利用者減により、「北アルプス」は2001年9月30日を以て廃止となり、キハ8500系も運用を失った。

その後、全5両が会津鉄道に譲渡され、2002年3月23日から「AIZUマウントエクスプレス」として再デビュー(2両編成2本として運行。中間車のキハ8555は予備車扱いで、後に解体された)。特急「北アルプス」の人気の高さから、会津鉄道でもほぼ名鉄時代の外観のまま営業に就くこととなった。2005年3月1日からは東武鉄道の鬼怒川温泉まで直通運転を開始し、東武鉄道・野岩鉄道・会津鉄道・JR東日本の4社を跨いで運行された。しかし、高速運転用の特急形車両を低速運転かつ停車駅が多い運用に入れたために走行機器へのダメージが進行し、2010年5月30日を以て後継のAT-700形・AT-750形に置き換えられて廃車となった。

最後まで残った4両(キハ8501〜8504)は会津鉄道がオークションを行い、キハ8501とキハ8504を「那珂川清流鉄道保存会」が、キハ8502とキハ8503が名古屋市の大学職員が落札した。後者は会津若松市内の「やすらぎの郷 会津村」にて静態保存され、うち、キハ8503が2012年4月24日より展示された(キハ8502はブルーシートにて保護したまま保管された)。しかし、屋外展示のため外板の劣化が進行し、さらに2014年夏には「やすらぎの郷 会津村」より車両設置契約の解除を通告された。

解体の危機に瀕したキハ8502・キハ8503であったが、運良く商社を通してサバ州立鉄道(JKNS)に譲渡されることが決まり、2015年に2両とも横浜港・クアラルンプール港経由でコタキナバル港に輸送され、その後サバ州立鉄道のKinarut車両基地に搬入された。現地到着後、塗装の変更、車軸の改造(サバ州立鉄道は軌間1,000mm(メーターゲージ)のため)、エンジンをはじめ走行機器のオーバーホールが実施された。車両番号は変更されず、サバ州立鉄道でも「8502」・「8503」として使用されている。「やすらぎの郷 会津村」での静態保存時にブルーシートで保護され状態が比較的良好であったキハ8502より整備が開始され、2016年2月に竣工。2016年3月に本線試運転が行われた。2016年5月より、残りのキハ8503も整備を開始した。

2016年10月17日よりTanjung Aru(タンジュンアル)〜Beaufort(ボーフォート)間で営業運転を開始した。まずはキハ8502の単行による暫定運行をしており、キハ8503の整備が完了次第、2両編成で運行する計画だ。


※Kinarut(キナルート)基地内での写真は、サバ州立鉄道の多大なるご協力のもと、許可を得て撮影

参考文献(敬称略):斎藤幹雄「鉄道ピクトリアル」No.920(2016年8月号) P.114-117「マレーシア ボルネオ島のキハ8500系」(電気車研究会)
             斎藤幹雄「鉄道ピクトリアル」No.921(2016年9月号) P.110-111「サバ州立鉄道キハ8502試運転列車 乗車記」(同上)


関連ページ:「【鉄道模型】サバ州立鉄道−元 名鉄キハ8500系」














サバ州立鉄道「RAILBUS 8502」公式パンフレット
キハ8500系キハ8502のサバ州立鉄道公式パンフレット。営業運転開始を記念して
作成されたものと思われる。車両のスペックや車内設備等について詳細に記載されている。
英語表記。

関連ページ:「【鉄道模型】サバ州立鉄道−元 名鉄キハ8500系」

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