榛接線

榛接線(チンジョプソン)は榛接(チンジョプ)~タンゴゲ間4駅14.9.kmを結ぶ路線である。うち、タンゴゲ駅付近と梧南~別内ビョルガラム間の一部区間が地上区間である。全区間複線(右側通行)で、架線集電方式による直流1,500V電化。軌間は1,435mm(標準軌)。2022年3月19日に現営業区間が開通した。ソウル地下鉄4号線・果川線・安山線と併せて首都圏電鉄(広域電鉄)4号線を構成しており、一般の旅客案内では榛接線の名称は使用されておらず、「4号線」の案内で統一されている。

列車運行・整備をソウル交通公社、施設の運営とメンテナンスをKORAIL(韓国鉄道公社)、南楊州都市公社が駅舎施設の運営とメンテナンスを行っている。また、施設の所有は国家鉄道公団(旧:韓国鉄道施設公団)が行っている(韓国政府からの委任)。列車運行、駅舎施設運営・メンテナンス、駅間施設メンテナンスの主体事業者がすべて異なる例は韓国でも珍しい。

ソウル地下鉄4号線と直通運転を行っており、大半の列車が4号線の舎堂(サダン)駅まで直通する(終電等で線内運用もある)。また、2023年1月現在、平日・土休日ともに初電の上り1本のみ南泰嶺発榛接行きが運行されている。

開業時点では線内に車両基地はないが、2025年頃にソウル地下鉄4号線の倉洞車両事業所を移転し、榛接駅付近に榛接車両事業所が建設される予定である。

列車は10両編成で運転される。原則としてソウル交通公社の直流専用車で運行されており、KORAILの車両は榛接車両事業所が開業するまでは原則入線しない。

梧南~別内ビョルガラム間の地上区間に豊壌駅(仮称)の建設計画があり、2026年以降に開業予定である。開業すると、ソウル地下鉄4号線との境界駅であるタンゴゲ駅を除いて、榛接線内で唯一の地上駅となる。




榛接線の地上区間を行くソウル交通公社4000系。真新しい高規格な軌道が眩しい。

梧南~別内ビョルガラムにて


榛接線の梧南~別内ビョルガラム間の地上区間の全景。地上区間は全長2km弱で、沿線に建物がほぼ無いため地上区間全区間を見渡すことが出来る。この区間を含む梧南~別内ビョルガラム間の駅間距離は7.7kmで、韓国国内の鉄道で直流電化区間・右側通行区間の駅間距離としては最長である(2番目は金浦都市鉄道の高村~金浦空港 間の5.9km)。
将来的には豊壌駅(仮称)付近が開発され、景色が大きく変わる可能性がある。


上記写真と少し撮影位置を変更。(鉄橋に草がかかるのを避けることが出来るが、高架橋は奥まで見えない)
ローゼ橋・斜張橋・ローゼ橋と3連続で橋梁が連なり、橋梁の見本市のようだ。
なお、榛接線は地上区間が短いうえに全区間高架であるため、榛接線を沿線撮影できる場所は限られている。

梧南~別内ビョルガラムにて


豊壌駅(仮称)の建設予定地近辺(写真中央部付近)。2022年10月現在、建設工事を進めている様子は特段確認できなかった。
ただ、駅周辺の土地は既に工事用の柵で囲われており、開発の準備が進んでいる。

梧南~別内ビョルガラムにて


錦江路に架かるローゼ橋と、錦江に架かる斜張橋を渡る列車。


梧南駅の3番出入口外観。現在、榛接線はソウル地下鉄4号線との境界駅であるタンゴゲ駅を除いて、すべて地下駅である。


梧南駅の駅前。バス停が隣接している他、ロータリーやパークアンドライド用の駐車場も駅開業に併せて整備された。


梧南駅のコンコース(地下1階)。天井をアーチ状とすることで柱を省略し、開放的な空間を実現している。


梧南駅のホーム。地下2階にあり、2面2線の相対式。


榛接駅の2番出入口の外観。ガラス張りの大型の天井があり、エスカレータ・エスカレータを完備している。


榛接駅の駅前の様子。商業ビルが立ち並んでいる。


榛接駅2番出入口の内部。吹き抜け構造となっている。


榛接駅のコンコース。案内標識は蘆原・烏耳島方面となっているが、大半は地下鉄4号線の舎堂まで行く列車しか発車せず(終電間際はソウル駅行き、タンゴゲ行きもあり)、舎堂より南へ行く場合はタンゴゲ始発の列車に途中で乗り換える必要がある。


榛接駅の改札口。南北2か所にあり、うち中央の改札はホーム別に改札口が分離している。


榛接駅のコンコースのパブリックアート。


榛接駅のホーム。地下2階にあり、2面2線の相対式。通常は下り線側のホームのみ使用し、上り線ホームは原則としてラッシュ時等に当駅終着列車の到着にのみ使用している。


榛接駅の駅名標。韓国語・英語・中国語・日本語の4か国語表記である。


榛接駅の時刻表掲示。下端部の社名表記は南楊州都市公社となっている。当公社はタンゴゲ駅を除く榛接線各駅の駅舎施設の運営を行っている(タンゴゲ駅はソウル交通公社管轄)。


榛接線の地上区間(梧南~別内ビョルガラム間)を走行する、ソウル交通公社4000系(2代目)のトップナンバーである401編成。1993年登場で、製造から30年目にして新規開業路線を走ることとなった。

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GEC Alsthom製のGTO-VVVFの磁励音を響かせて地下区間を走る、榛接発舎堂行きの4000系(2代目)419編成。

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榛接線の梧南~別内ビョルガラム間の地上区間の車窓。地上区間は全長2km弱。撮影した2022年10月時点では沿線に建物がほぼ無いが、今後は駅周辺が開発され、地上区間の途中に豊壌駅も設けられる予定で、景色が一変する可能性がある。

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終点手前の1駅間の様子。終着駅到着前のロゴソング・自動放送は1:14頃から流れる。榛接駅の手前はポイントを分岐側に通過するため、低速で走行する。

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